オペラ鑑賞では、演目の終わりに観客が「ブラボー!」と声を上げたり拍手をしたりすることで出演者に敬意を表します。初めての鑑賞でも、オペラの内容に感動して声をかけたくなることがあるかもしれません。しかし、このブラボーと拍手、マナーに気をつけないと恥をかいてしまいます。しっかり予習して、オペラを楽しく鑑賞しましょう。
フライングブラボー、フライング拍手に気を付けよう
クラシック音楽は「余韻を楽しむ」のも醍醐味のひとつです。歌手が歌い終わった後の一瞬の余韻など、曲を聴いた後に少しの "間" があることで歌に深みが増します。そのため「ブラボー!」と声を上げたり拍手をしたりするのが早すぎると、この余韻を壊してしまいます。
初めての鑑賞の際は、周囲のタイミングに合わせましょう。早めに声を上げて劇場の雰囲気を台無しにするより、周りのペースに合わせた方がオペラをより深く理解することにつながるはずです。
オペラには休憩がある演目もある
オペラは上演時間が長時間となる演目もあります。その際、多くの演目で休憩時間 (幕間 (まくあい)) が設けられています。この間にビュッフェで軽い食事をしたり、お手洗いに行ったりすることができるので、ぜひ活用してください。
しかし、演目によっては休憩がなく、開演から終演まで座りっぱなしになってしまうこともあります。幕間のない演目では事前に飲み物の量を調整した方がいいかもしれませんね。休憩のある・なしはネットで調べることもできるので、不安な人は事前に調べておきましょう。
慣れないうちは積極的に声を上げるのは難しいかもしれません。しかし、オペラ鑑賞に慣れたら「ブラボー!」と出演者に声をかけてみるのも楽しみ方のひとつです。全身でオペラを楽しめるようになると、もっとオペラを好きになれるはずです。
画像提供: 新国立劇場
教えてくれたのは……
(公財)新国立劇場運営財団オペラ広報担当 桑原貴さん
小学生時代から合唱が好きで将来は音楽教師になることを決意。その勉学中の高校時代に観た「蝶々夫人」でオペラに傾倒。名古屋音楽大学声楽学科に入学。卒業後、音楽制作事務所を設立。名古屋音楽大学オペラ研究員、中学高等学校の音楽科非常勤講師の兼職を経て、1997年から新国立劇場に勤務。
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