説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『アンテナ本数の部分に「○○に戻る」と表示されます!?』という質問に答えます。
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アプリの種類を問わず、URLをタップするとWEBページが表示されるというしくみは多くのユーザに暗黙の了解として受け入れられています。iOSアプリの場合、URLのタップでSafariに処理を引き渡すか、アプリの画面内にWEBページエリアを確保してそこに表示する(WEBビュー、通称「アプリ内ブラウザ」)ことで、WEBページの表示を実現しています。
iOS 9では、そのWEBビューの機能が改良されました。Safariが保有しているクッキーなどのデータを共有することが可能になり、iCloudキーチェーンにアクセスできるため、ログインが必要なWEBサイトを表示してもアカウント名やパスワードを入力し直す必要がありません。アプリ内でWEBページを表示しても、ふだん利用しているSafariの環境そのまま、ということです。
画面左上のふだん通信キャリアの電波状態(アンテナ本数)が表示されているエリアの「○○に戻る」は、この新しいWEBビューを利用していることを意味します。この「○○」に戻るをタップすれば、WEBビューを呼び出したアプリへ直接戻れるので、Appスイッチャーを利用したりホーム画面でアプリを起動し直したりする必要がありません。アプリの制御を他に移さずにすみますから、設計しやすくなるというアプリ開発者にとってのメリットもあります。
ただし、Safariと異なりタブを切り替える機能はありません。ナビゲーションのボタンなどはSafariと同様ですが、カスタムUIを構築することはできないため、アプリからURLを渡して表示することが基本的な使い方となります。