JR西日本は25日、新たな特急「サンダーバード」の報道公開を実施した。リフレッシュ工事で外観デザインや車内設備が見直され、新たなシンボルマークも掲出された。
現在、特急「サンダーバード」は大阪~金沢・和倉温泉間で運行され、近畿エリアと北陸エリアを結ぶだけでなく、金沢駅で北陸新幹線と接続する役割も持つ。JR西日本は今年1月、同列車のサービス向上への取組みを発表しており、使用車両(683系・681系)全車両を対象にリフレッシュ工事を行い、今秋から順次投入する計画としていた。
今回公開された車両は683系4000番台(T51編成)で、クロ683-4511、サハ682-4322、モハ683-5011、サハ682-4411、モハ683-5411、サハ683-4711、サハ683-4811、サハ682-4321、クモハ683-5511の9両編成。外観はホワイトボディとブルーのラインを基調に、車体前面にもブルーのラインが入り、側面も大きな窓を強調したカラーリングとなった。新たなシンボルマークは2・3号車と8・9号車の車体側面に掲げられ、「サンダーバード」をモチーフとしたデザインで、北陸新幹線に使用されるカッパー(銅色)も採用された。
グリーン車(1号車)は座席だけでなく床や壁もダークブラウンを用いたシックな色調となり、落ち着きと趣のあるデザインに。座席をバケットタイプとすることで座り心地も改善され、全席にコンセントも設置された。普通車(2~9号車)の座席はブルーを基調とした新しいデザインとなった。コンセントは各車両の出入口付近の席(1両あたり8席)に設置。女性専用席(3号車)も16席用意され、ブランケットも配備される。
リフレッシュ工事でトイレの快適性も向上した。身障者対応トイレ(4号車)とグリーン車のトイレに、JR西日本の在来線車両では初という温水洗浄機能付き暖房便座を導入。身障者対応トイレにフィッティングボードも設置した。それ以外のトイレもすべて暖房便座となっている。なお、「サンダーバード」のサービス向上の一環で、同列車が停車する北陸本線のすべての駅で洋式トイレが整備されるという。
報道公開ではJR西日本車両部車両設計室、大森正樹氏が車両概要を説明し、「サンダーバードは約20年にわたって親しまれている車両。リニューアルにあたり、いままでの良いところも残しながらバージョンアップさせたいと考えました」と述べた。外観やグリーン車の内装などに現行デザインが踏襲されており、「『サンダーバード』らしさと北陸新幹線開業に合わせた新しさを表現した」車両となっている。
今回公開された683系4000番台(T51編成)は、9月26日から特急「サンダーバード」での運用を開始する予定だ。今後も「サンダーバード」使用車両のリフレッシュ工事が進められ、2018年度末までに順次投入する計画とされている。