川崎重工業は9月24日、航空機製品の生産・組立工場である名古屋第一工場において、7月ボーイング社と正式契約したボーイング777Xを製造するために工場建設に着手した。

ボーイング777X向け新工場の完成予想図

新工場は名古屋第一工場北工場の敷地内(愛知県弥富市楠3丁目20-11)に建設するもので、延床面積は約1万3,000平方メートル(全長200m、幅50m、高さ19m)になり、2016年12月末竣工を予定している。同社はボーイング777Xの製造において、前部胴体、中部胴体、主脚格納部、後部圧力隔壁および貨物扉を担当。自社製ロボットによる先進的生産設備や高性能センサーを適用した検査装置など、全社を挙げて開発した新技術を積極的に導入して自動化を推進し効率的な生産を目指している。

現在、ボーイング777型ファミリーは世界各国で運航されており、各派生型を合わせた受注機数は合計で1,500機を超えている。同社は名古屋第一工場において1992年よりボーイング777向け製品の生産を開始した。その後継機であるボーイング777Xプロジェクトへの参画により、安定した生産活動の継続、最新の生産技術の獲得、高品質な製品の提供、さらには民間航空機事業の発展・拡大に向けて積極的に取り組むとしている。

主要設備として、「新型スキン・スプライス・リベッター」(胴体外板(スキン)を継ぎ合わせ(スプライス)締結(孔明け・リベット留め)する装置で、従来に比べ複雑な部位の加工が可能)、「新型フレーム・シアタイ・リベッター」(胴体部品(シアタイ)と補強部品(フレーム)を締結(孔明け・リベット留め)する装置で、従来に比べ加工可能範囲を拡大)、「ロボットを使用した自動化設備」(大口径ドリル、ロボット(大口径ドリルを保持し、胴体外板を自動穿孔するロボット)など)を備える。