ドリームキャリアは、2016年3月卒業予定の理系学部・学科に所属する学生を対象に、就職活動に関する動向調査を実施した。調査は8月7日~31日にかけて行い、200名から有効回答を得た。

「3月解禁がちょうどよい」は3%のみ

就職活動スケジュールについて尋ねたところ、86.5%が「もっと早く始めたほうがいい」と回答した。

具体的には、「研究する時間が減った。研究室の新人指導が4~8月にかけてあまりできなかった」(東京大学大学院)、「研究へのしわ寄せがひどすぎる。修了できるか不安」(東京大学大学院)、「修士論文への作成スケジュールを考えると、昨年度までの日程が学生側にもメリットがあったと思う」(早稲田大学大学院)、「就活と卒論並行するのが大変だったから。また、真夏のスーツは地獄だった」(東京大学)などがあげられた。

ほかにも「国際学会の時期と重なる」など、「大学生は学業を優先すべき」というスケジュール変更の意図に反して、学業への悪影響を訴える声が多かった。

就職活動スケジュールについての考え

一方、「特定の時期を決めず自由にした方がいい」という学生は5.5%であった。学生からは「ある程度、研究の結果なり背景なりを話せる状態になったら就職活動を行えば良いと思った。個人個人研究の進捗は異なるため、時期を決める必要はないと感じた」(東京工業大学大学院)、「採用活動のゴールを学生と企業ともに、ベストマッチングだとするならば相応の期間が人それぞれ必要であり、期限を決めるべきではない」(名古屋工業大学大学院)といった声があがった。

「3月解禁がちょうどよい」という学生は3.0%にとどまる。「例年より時期が長めなので、色々な企業を受けられた」(東京農工大学大学院)、「自分が何をやりたいのか、考える時間を持てた」(東京医科大学大学院)といった意見が寄せられている。

内定受諾時期は「8月」が8割

就職活動開始時期について聞くと、学部3年・修士1年の夏に実施するサマーインターンシップで就職活動を意識し始める学生が多いことがわかった。約7割が2014年の8月までに就職活動を開始(情報収集含む)している。

就職活動開始時期

内定受諾時期はいつだったか尋ねると、「8月」が82.8%と最も多かった。同月は倫理憲章参加企業の選考が開始となる月で、主要企業の多くが内定出しをしたとみられることから、内定受諾率も一気に上昇したと考えられる。一方で、主要企業の内定出しが始まる前に28.3%がすでに内定受諾していたことも明らかとなった。

内定受諾時期

内定受諾の決め手について聞くと、「仕事内容」が32.4%で、2位以下を大きく離してトップとなった。2位以下には「社風の魅力」(16.0%)、「社員の魅力」(15.4%)が続いた。

専攻を活かせる業界や職種を志望したか尋ねたところ、63.5%が「志望した」と回答した。一方で36.5%は専攻と異なる分野の就職先を希望している。理由は「専攻を活かせる仕事が少ないから」といった現実的な意見のほか、「視野を広げたいから」「人生は一度なので、まったく違った道を選ぼうと考えたので」といったものもあった。

専攻を活かせる業界や職種を志望したか

エントリーシート提出数について聞くと、平均21社で昨年から大きな変化はなかった。インターンシップの参加経験については、78.9%が「ある」と回答。インターンシップ参加者が62.0%だった2015年卒から、2016年卒は78.0%に増加した。