トヨタ自動車は24日、同社のメーカー完成特装車「ウェルキャブ」に、簡単操作で助手席を回転させ、座面を傾けることで乗降をよりスムーズにサポートする助手席回転チルトシート車を開発し、「シエンタ」「ポルテ」「スペイド」に設定して12月下旬に発売すると発表した。
助手席回転チルトシート車は、乗降時に座面の前側を下げることによって足の着地をサポートする座面チルト機構を採用。乗降時のヒップポイントを高い位置にすることで、座る・立つの動作を容易にするとともに、介助者の負担も軽減する。
また、座面のチルト機構によりシートが車外に出る部分を最小とし、駐車場などでの乗降時に必要なスペースを縮小。車両の横に45センチのスペースがあれば乗降が可能となり、障がい者用などの特別なスペースがない場所でも利用可能とした。車外に出る部分が少ないので、雨天時などでもシートが濡れにくいという利点もある。
操作は手動式となっており、シート左下の側面に回転スライドレバー、シート左肩にチルトボタン&グリップを配置。シートの回転とチルトに関する操作をこの2つの機構で行うことで、操作も簡単にでき、かかる時間も大幅に短縮している。
ベース車と同等の座面角の実現により長時間での乗車でも疲れにくく、体への負担も軽減した。さらに乗車時の目線はドライバーとほぼ同じ高さを確保するなど、快適性を向上させるとともに、よりベース車に近い乗り心地を実現。
あわせて、シエンタには「車いす仕様車」にタイプIIIを追加設定。従来の車いす仕様車タイプIの仕様に新開発の助手席回転チルトシートを標準装備した。
価格は、シエンタの助手席回転チルトシート車"Aタイプ"が198万6,218円~249万9,709円、"Bタイプ"が190万9,000円~238万5,000円、シエンタの車いす仕様車タイプIIIが210万8,000円~243万8,000円、ポルテとスペイドの助手席回転チルトシート車"Aタイプ"が188万182円~204万218円、"Bタイプ"が181万円~195万9,000円(助手席回転チルトシート車"Aタイプ"は税込、"Bタイプ"と車いす仕様車は非課税)。