NTT上場の思い出
9月10日、郵政3社の上場を東京証券取引所が承認しました。28年ぶりの大型上場となる日本郵政グループの上場が11月4日に迫っています。
1987年のNTT上場時と比較されることが多いですが、当時はどのような状況になったのでしょうか?
当時まさに現場にいたピクテ社員にインタビューしてみました。
証言(1)日本代表の会社、外国人
常務執行役員 年齢:56歳
当時:大手証券会社 株式調査部所属
「当時は業界全体がお祭り状態で、職種に関係なく社員全員が営業マン状態になるくらいの一大イベントでした。
お客さまには「NTTは日本を代表する会社だから、外国人が日本株を運用するなら買いにくる銘柄の1つなので株価上昇が期待できますよ」という話をしていましたね。当時私は株式調査部にいたので、NTT株を買う資金を捻出するために、他の個別株を売る人が出て株価が逆に下がるのではないかという心配もありました。
ただ、NTTの上場で個人投資家層が広がったのはとてもいいことだったと思います。
NTT上場時はバブル、今回の郵政上場はアベノミクスという追い風があるので、今回もNTT上場時と似たようなことになるかもしれませんね。」
証言(2)国策の目玉
フィールド・マーケティング部 年齢:53歳
当時:大手証券会社 支店営業
「当時は、私の周りでも親戚から友人までNTT株に申し込みをしていました。
電話はどの家にもあるので、多くの人にとって分かりやすくて身近だったことや国策の目玉であったことも人気の背景にあったと思います。
個人的には、いきなり高値がつくと株価が上がりづらくなるので、最初は安く寄り付いてほしいと思っていたのですが、いきなり株価が160万円になったときは「やられた」と思いました。
来年は参議院選挙があるので、景気対策の起爆剤として政府も今回の郵政上場は盛り上げてくると思います。
今回の郵政上場では、過熱し過ぎない程度の株価水準で始まり、息の長い相場になるといいですね。」
(※記載された銘柄はあくまで参考として紹介したものであり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。)
●ピクテ投信投資顧問が提供する、「ボンジュール」からの転載です。