21年ぶりの急騰!

2015年9月9日、たった1日で日経平均株価は1,343.43円上昇し、21年ぶりの上げ幅を記録しました。

中国当局による景気刺激策への期待が高まり、「空売り」された日本株式が一気に買い戻されたことが背景に考えられます。

「空売り」って?

株式でリターンを得るためには、どのような手段があるでしょうか?

まず考えられるのが、株式を安く「買い」、値上がりしたら「売る」という一般的な取引です。

しかし、これとは逆に高く「売って」安く「買い戻す」こともできます。つまり、株価の下落局面でもリターンを狙うことができます。

これがいわゆる「空売り」という信用取引です。

株式や現金などを担保により多くの株式を借り入れられるため、少ない資金で大きなリターンを期待することも可能になります。当然ですが、売った値段よりも高い値段で買い戻さなければならない時には、損失が出ます。

空売りのイメージ図

今回の日本株式の急上昇は相場の先安感から空売りが増えていたところに、中国の景気刺激策の好材料が発表されたため、大量に空売りされていた日本株式が買い戻されておきた現象と考えられます。

空売りの影響力

一般的に信用取引は、短い期間でリターンを得ることを目的としていること、また、実際の資金よりも大きな額を動かすことができることから市場に与える影響が小さくありません。

今回もヘッジファンドなどあらゆる手段でリターンを追求するプロの投資家による空売りが日本株式の乱高下を演出したといえます。

投資をするうえで大事なことは短期的な相場の変動に振り回されずに中長期的な視野を保つこと。そのためには、相場変動の裏にどんな要因があるのか知ることも重要です。

■ 東京証券取引所の空売り比率の推移(日次、期間:2014年12月30日~2015年9月11日)

※空売り比率は空売り比率(規制あり)を使用 (出所:ブルームバーグを使用しピクテ投信投資顧問作成)

●ピクテ投信投資顧問が提供する、「ボンジュール」からの転載です。