幕張メッセで開催中の「東京ゲームショウ2015」内ライブイベント「ライブ ミルキィホームズ 秋の大運動会」が9月19日、幕張イベントホールで開催され、ミルキィホームズから三森すずこ、徳井青空、佐々木未来、橘田いずみの4人と、ミルキィの妹分・フェザーズの愛美、伊藤彩沙が出演した。
今回のライブはタイトルの通り「秋の大運動会」がコンセプトで、開演前諸注意も運動会に訪れた、「保護者」向けのアナウンスになっていた。ライブオープニングでは開会式が行われ、桃チームの三森すずこ、黄色チームの徳井青空、緑チームの佐々木未来、青チームの橘田いずみが体操服姿でプラカードを持ち、こちらも体操服姿のダンサーたちを引き連れて行進しながら入場。「みるみる体操第一」で準備体操を踊ったあとは「第一競技・徒競走」と題して、「ミルキィ100ワールド」「ミルキィA GO GO」「プロローグは明日色」と、楽しいステージが始まる予感と疾走感に溢れた楽曲が続く。その後も多くの楽曲が、運動会の競技やプログラムと紐付ける形で披露された。「フォークダンス」の時間の「恋の調査報告書」ではメンバーとダンサーがフォークダンスを踊る振付が入ったり、「玉入れ」の時間の「ドリーム脳内T.K.O!!!!」では4チームが歌いながら実際に玉入れを行なったりと、パフォーマンスも「運動会」仕様。「ミルキィA GO GO」のワークアウトっぽい動きの徳井の足運びが妙に軽やかなのも面白い。
数年前からステージで餅つきをしたり、ライブではエンタテインメント性の強いステージを志向してきた『ミルキィホームズ』だが、MCや曲間だけでなく、パフォーマンスや衣裳まで「運動会」というコンセプトで統一してきたのはさらに思いきった組み立てだ。歌い終わった後に本当に4チームの玉入れの成績を集計して、橘田いずみチームが優勝する……なんて光景はほかのどんなライブでも見たことがない。
「お昼休み」の映像を挟んだ午後のプログラムは、「応援合戦」の「みるふれ」からスタート。両手に小さなフラッグを持って手旗信号っぽいビッビっとキレのいい動きを見せると、「羽ばたいてDreamin'」にはフェザーズの愛美、伊藤彩沙も加わった6人がポンポンを装備。キャラクターカラーをあしらった体操服のミルキィ先輩たちは若干イロモノ感があるが、イメージカラーが黒白のフェザーズは自然な体操服風。特に愛美はクラスで一番50m走が早そうなオーラが半端ない。だがステージにフェザーズの2人が残ると、漫才好きの2人だけに途端にトークが漫才っぽくなったのには、ミルキィの遺伝子を感じた。
ひとしきり軽快なトークを繰り広げたフェザーズの2人は、黒と白、それぞれのイメージカラーの学ランを羽織って「セイシュンビギナー!」を披露。この曲もイントロやアウトロにホイッスルの音と三三七拍子の動きを取り入れた「応援合戦」仕様だ。学ランを羽織った愛美のクラスで一番女子にモテる女子感が半端ない。続いて「HAPPY! 絶好調!」で最高にハッピーなステージングを見せた2人だったが、フェザーズ中心の時間もミルキィホームズの時間に負けないクオリティと存在感を見せていたのはとても頼もしい。やはり「脅威の新人」伊藤のパフォーマンスが愛美と肩を並べられるところまで伸びてきたのが大きいのかもしれない。フェザーズタイムは声を揃えての「フレー、フレー、ミルキィ!」のエールで締めくくられた。
「第一走者、橘田いずみ、行きます!」の声とともに会場外周のトロッコに登場した橘田はソロ曲「禁断サンクチュアリ」を披露。高らかに歌いあげると、会場を半周したあたりで今度は「ヒミツの花園」にスイッチする。青い扇子を振り舞いながら気持ちよさそうに会場を青に染めると、最後は「乙女▽危機一髪」で締め。まさかのソロ曲メドレーで幕張イベントホールのトラックを一周した橘田がメインステージに戻ると、メインステージ袖では佐々木未来が待ち受ける。2人のデュオ曲「ヴィーナス戦線異常なし」を歌ってタスキを受け渡す粋な演出だ。
流れ的に当然、佐々木は会場を回りながら「I DO MY BEST」「ト・リ・コ」「ヒロイン探偵物語」と歴代ソロ曲をメドレーで歌い、デュオ曲の「ぎみぃみるきぃ」で徳井に交代。徳井は「DADADA☆はっく」「NERORO☆おんど」「SU☆PA☆PA☆スター」のメドレーからデュオ曲の「ふたりはトモダチ」で三森にタスキを渡した。最後はアンカーの三森が「アコガレ make your love」「ラッキー*フルスロットル」「グッデイ・エブリデイ」で締めくくって、幕張イベントホール周回リレーは無事完走となった。メンバーにソロ曲が増え、デュオ曲の組み合わせが全パターンできている今だからこそ可能な贅沢な楽曲の使い方だが、演出とセットリストが噛みあった美しい流れには唸らされた。
ソロメドレーでは佐々木は「ト・リ・コ」の少し強さが加わったエリーらしさ、徳井は「NERORO☆おんど」の躍動する和のテイストと、最新TVアニメ『ミルキィホームズTD』挿入歌曲における、今までのソロソングとは雰囲気を変えた新しさに目が行った。となれば三森も最新曲の「ラッキー*フルスロットル」が……と言いたいところだが、最後の最後、「グッデイ・エブリデイ」の最初のワンフレーズで会場の空気を完全に「三森色」に塗り替えてしまった三森すずこ個人の空気、説得力に圧倒されてしまった。ラストでぶっちぎっていくのは流石アンカーという仕事だろうか。
ソロでそれぞれの輝きを見せた4人がステージに揃うと、ここからはちょっと本気モードで「いつだってサポーター!」、四色のレーザーブレードめいたマイクを携えたり、ダンサーの騎馬にまたがったりしながらの「ハートGoes on!」、大玉を客席に投げこみながらの「はいぱーみるきぃあわー」と、運動会演出を交えながらもトップギアのまま「正解はひとつ! じゃない!!」「ナゾ! ナゾ? Happiness!!」へと雪崩れこんでいった。さまざまな演出を交えながら、この畳み掛けを楽しそうに、休みなく歌い踊りきれるユニットがどれだけあるだろうか。メンバーがいつも口にしていた「ただ歌うだけじゃないエンターテイメント性のあるライブを作りたい」という言葉や、数年前に橘田が誇りと意地をこめて語っていた「ミルキィホームズは、パフォーマンスでも他のどんなユニットにも負けない」という言葉が、どんどん現実になっていることに驚かされた。
ミルキィらしい楽しい閉会式と、しっとりとした「手のひらのキセキ」での締め、そして本編のしんみりした余韻を吹き飛ばすような、底抜けに楽しいアンコール。大運動会というタイトルから、もう少しコミカルで企画色が強いイベントを想像していたが、通して見ればライブとしても極上の内容。最新のミルキィホームズこそが最高であると、胸を張って言えるライブだった。2016年2月に劇場版『探偵オペラ ミルキィホームズ~逆襲のミルキィホームズ~』の公開も決定したミルキィホームズの「逆襲」に要注目だ。
ライブ「ミルキィホームズ 秋の大運動会@TGS2015 - セットリスト
オープニングアクト 『BanG_Dream!』Poppin' Party (愛美、伊藤彩沙、西本りみ、大塚紗英) 「Yes! Bang_Dream!」「STAR BEAT! ~ホシノコドウ~」 |
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M-01 | みるみる体操第一 |
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M-02 | ミルキィ100ワールド |
M-03 | ミルキィA GO GO |
M-04 | プロローグは明日色 |
M-05 | 恋の調査報告書 |
M-06 | ドリーム脳内T.K.O!!!! |
M-07 | みるふれ |
M-08 | 羽ばたいてDreamin' |
M-09 | セイシュンビギナー! |
M-10 | HAPPY! 絶好調! |
M-11 | 禁断サンクチュアリ |
M-12 | ヒミツの花園 |
M-13 | 乙女▽危機一髪 |
M-14 | ヴィーナス戦線異常なし |
M-15 | I DO MY BEST |
M-16 | ト・リ・コ |
M-17 | ヒロイン探偵物語 |
M-18 | ぎみぃみるきぃ |
M-19 | DADADA☆はっく |
M-20 | NERORO☆おんど |
M-21 | SU☆PA☆PA☆スター |
M-22 | ふたりはトモダチ |
M-23 | アコガレmake your dream |
M-24 | ラッキー*フルスロットル |
M-25 | グッデイ・エブリデイ |
M-26 | いつだってサポーター! |
M-27 | ハートGoes on! |
M-28 | はいぱーみるきぃあわー |
M-29 | 正解はひとつ! じゃない!! |
M-30 | ナゾ! ナゾ? Happiness!! |
M-31 | 手のひらのキセキ |
【ENCORE】 | |
EC-01 | ユメユメエキスプレス |
EC-02 | 雨上がりのミライ |
EC-03 | バイバイエール! |