「企業が学生に求める能力」と聞いて、どんな力を思い浮かべるだろうか? このレポートでは、マイナビ編集長 吉本隆男氏に聞いた「企業が学生に求める能力」を紹介する。「具体的にどんな能力を身に付ければいいの?」と悩んでいる学生の皆さんは是非参考にしてみてほしい。

「企業が学生に求める能力」とは?(画像はイメージ)

イノベーションを起こせる人物が求められる

――企業が求めるターゲット像に変化はありますか?

この1~2年での変化ということはないですが、「イノベーションを起こせる人」は各社共通して求めるようになったかもしれないですね。今までと同じことをやっていて企業は生き残っていける時代ではないので、新しい取り組みを起こす必要があるのです。

――「コミュニケーション能力も求められている」とよく聞きます

職場では、文系出身でも理系出身でも仕事で誰かと関わりながら仕事をしていく場面が多々あります。

就職活動において学生のコミュニケーション能力をはかられる場は、面接やグループディスカッションであることが多いですが、そこでは話やプレゼンテーションのうまさではなく、面接官とのやりとりが見られています。一方的に話すのではなく、相手が求めることは何かを察して答えられるかということ。普通にやりとりしていれば心配することはないと思います。

――真面目すぎて緊張してしまったり、面接でうまくコミュニケーションがとれないという学生はどうすればいいでしょうか?

企業は様々な人材を求めています。職種によっては、人と接することが好きであったり、話がうまい学生を求めているという会社もありますし、同じ会社の中でも、話はうまくなくても真面目で誠実な人が欲しい部署もあるでしょう。最後は学生がもっている個性や能力がその会社と合うか合わないかだと思います。

就活生に重要な5つの要素

――学生は具体的にどのような能力を身につけるとよいでしょうか?

「問題解決能力」「論理的思考力」「主体的行動力」「リーダーシップ」「ストレスコントロール力」の5つが重要です。今完全に身についていなくても、会社に入ってから発揮できる可能性があるかをみられています。学生は自らの経験を振り返って、その能力を発揮できる可能性があることを、エントリーシートや面接で説明する必要があります。

――5つの要素を身につけるためにはどうしたらよいでしょうか?

学生生活を充実させることが重要です。学業、研究活動、クラブ活動、アルバイトなど、学生生活で経験する中でこういった能力は培われるはずです。理系の学生ならまずは自分の研究活動にしっかり向き合うことが重要ですし、文系ならゼミや学内のビジネスコンテストに参加するといった経験も有効だと思います。集団の中で何のために何を考えてどう動いたか、行動してみてどうだったかを振り返ることが重要です。

――やはり、「部活の部長をやっていました!」というような目立つ経験が必要ですか?

もちろん、就職活動のシーンでしっかりプレゼンできる素材があるに越したことはありません。とはいえ、特別な経験である必要はなくて、ちゃんと企業側が求める力を発揮したことがあるということがわかればいいんです。今の時点で語れるものがないとしたら、これからの学生生活では企業側の視点を意識して、自分を見つめ直してみるのもいいかもしれません。

終わりに

就活生は「問題解決能力」「論理的思考力」「主体的行動力」「リーダーシップ、ストレスコントロール力」の5要素が重要だと語る吉本氏。企業は将来的にその力を発揮できるポテンシャルがあるかも含めて判断しているという。来年以降の就職活動を前に身につけておきたい能力があるのであれば、これからの学生生活を見直して行動してみるのも良いかもしれない。