三菱UFJリサーチ&コンサルティングはこのほど、2015/2016年度経済見通し(2次QE反映後)を発表した。それによると、「景気の持ち直しペースは緩やかにとどまり、下振れリスクが高まる」と予想している。

最大の下振れリスクは輸出

2015年4~6月期の実質GDP成長率(2次速報)が1次速報から上方修正されたことについては、「設備投資が減少し、在庫寄与度が上昇するなど実態はむしろ悪化している」と分析している。

2015年度の景気については、「夏場まで横ばい圏内で推移するが腰折れは回避できる」と予想。7~9月期には前期比でプラス成長に戻り、その後もプラス成長を維持するが、ペースは緩やかにとどまると見込んでいる。年度の実質GDP成長率は前年比0.9%増、ゲタ(0.9%増)を除いた年度中の成長率はゼロ%と予測。最大の下振れリスクは輸出で、「中国を中心とした新興国や資源国の景気減速の動きが強まり、輸出の弱含みが長引けば、横ばい圏での動きが長期化する懸念もある」としている。

GDP成長率の見通し(出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティングWebサイト)

2016年度の実質GDP成長率は、前年比1.4%増と予測。後半から2017年4月の消費増税をにらんだ動きが家計部門を中心に現れることもあり、回復ペースが増すと見込んでいる。

2017年度の実質GDP成長率は、消費増税の影響を受けることから前年比0.2%減と予測。家計への影響は大きく、「マイナス成長に陥ることは免れない」としている。