エン・ジャパンはこのほど、「エンウィメンズワーク」にて「職場のジェンダーハラスメント」をテーマとしたアンケートの結果を発表した。調査は7月23日~8月26日、同サイト利用者の女性1,037名を対象にインターネットにて行われた。

54%が「職場で女性は不利」と感じた経験アリ

「働く中で、女性であることが不利だと感じたことはありますか?」

はじめに、「働く中で、女性であることが不利だと感じたことはありますか?」と尋ねたところ、54%の女性が「ある」と回答した。婚姻別では既婚者58%、未婚者52%と、既婚者のほうが性別によるギャップを感じていることがわかった。

不利な理由1位は「出産後に仕事を続けにくい」

「女性は不利だと感じた理由(婚姻別)」

続いて、不利だと感じている人にその理由について尋ねたところ、「出産後に仕事を続けにくい(49%)」が最も多く、特に既婚者から多くの票を集めた。

具体的なコメントには「保育園にお迎えに行く時間などの制限があり、通勤時間を計算すると転職活動で応募できない企業が多い。仕事と育児の両立は本当に難しいな、と実感しています」(27歳、既婚)、「産後の復帰が希望通りにいかないため同じ店、部署で復帰できない、転勤がある」(30歳、未婚)、「塾業界のため、夜が遅く、女性にとっては結婚後働きにくい。出産後はさらにそう。勤務時間が毎日終電近くになるので保育所に預けることもできない。ほとんどの女性の先輩は妊娠を機に退職していて、私もそうせざるを得なかった」(33歳、既婚)といった声が多数挙がっていた。

次に多かった理由は「給与・待遇に差を感じる(48%)」で、こちらは年代が上がるに連れて増加する傾向がうかがえた。

「女性が得意とされる仕事(事務、接客や感情労働、調査、絵や文章の創作等)は資本主義的に高く評価されず、男性の得意なこと(残業、飲み会、電車通勤、数値目標達成)はお金に結びついていて仕事に有利だから」(32歳、未婚)、「自分の方が明らかに仕事をしているのにも関わらず、男性(特に家庭を持っている)であるだけで給与面では手厚かった」(33歳、未婚)、「派遣社員で何社か就業させていただきましたが、雑務等はまだまだ男性は全くしない環境にあります」(44歳、未婚)など、多くの体験談が寄せられた。

3番目に多かった理由は「出世が難しい(40%)」。

具体的なコメントには「結婚・出産後は仕事を続けやすい環境にあるが、任される仕事については制限されてしまうので女性の出世は難しいと感じます」(22歳、未婚)、「『女性だから、いつ辞められるか不安だから雑用などの仕事しか任せられない』など直接言われたこともあったから」(32歳、未婚)、「任される仕事がある程度のレベルに押さえられ、評価は男性社員との評価と根本的なスタートラインが違う、と感じた事があった。アピールできる場が少なく、その点で出世や昇給などに不利な点を感じた事があった」(39歳、未婚)といった意見が並んだ。

女性が働きやすい職場にするために必要なこと

「女性が働きやすい職場にするために必要だと思うことは何ですか?」

最後に、「女性が働きやすい職場にするために必要だと思うことは何ですか?」と質問したところ、「職場復帰支援の充実(55%)」「短時間勤務制度の充実(54%)」「育児休暇制度の充実(53%)」など、制度が整うことで、安心して働き続けられるという意見が上位に並んだ。

婚姻別で見ると、既婚者のポイントが高かったのは「短時間勤務制度の充実(既婚者: 64%、未婚者: 46%)」や「在宅勤務制度の充実(同: 39%、26%)」などで、働き方の自由度を高めたいという意見。また、年代別では「男性社員の意識改革(20代: 37%、30代: 49%、40代: 50%)」「管理職の意識改革(同: 34%、45%、48%)」「女性社員の意識改革(同: 24%、38%、42%)」といった項目で、年代が上がるに連れて増加する傾向がうかがえた。