米Appleは16日(現地時間)、iOSのメジャーアップデート「iOS 9」の提供を開始した。マルチタスクへの対応や、検索と音声アシスタント「Siri」の機能強化などが行われている。アップデートは"設定"の"一般"→"ソフトウエアアップデート" から実行可能で、対象機種はiPhone 4s以降、iPod touch第5世代以降、iPad 2以降、iPad mini以降。

「iOS 9」では新たにマルチタスクに対応。使っているアプリの画面を離れることなく、別のアプリを立ち上げて作業できる「Slide Over」、2つのアプリを画面に並べて一度に操作できる「Split View」のほか、FaceTimeで相手と会話している場合や、動画の再生中にボームボタンを押すと、動画を画面端に表示する「ピクチャ・イン・ピクチャ」が可能となった。

Slide Over

Split View

ピクチャ・イン・ピクチャ

また、検索機能を強化。利用頻度の高い、あるいは最後に利用した連絡先やアプリが検索画面にあらかじめ表示される。さらに音声アシスタント「Siri」で、音声を使って端末内に保存されたデータや連絡先を検索できる。

内蔵アプリでは、「メモ」アプリで画像や動画を貼り付けられるようになったことに加え、手書きのスケッチ機能も利用できる。加えて、Safariやマップなどのほかのアプリの使用時に「共有ボタン」から「メモ」アプリを起動すると、リンクや地図、テキストなどをメモとして保存できる。「マップ」アプリでは一部の都市で交通機関の情報を確認できるようになった。

テキストだけでなく、画像や手書きスケッチなども利用できるようになった

使用中のアプリからメモに内容を加えることができる

このほか、新聞、雑誌からオススメの記事を提供する「News」アプリやiCloud Driveに保存したデータを確認できる「iCloud Drive」アプリなどが新たに加わった。

バッテリ駆動時間やセキュリティの強化も行われている。「iOS 9」ではシステム全体で電力効率を向上させたことで、従来よりも駆動時間を最大1時間延ばすことができるという。また、パスコードが4桁から6桁に変更されたほか、Apple IDの二要素認証に対応した。