新生銀行は16日、訪日外国人観光客や多様化する国内旅行者をターゲットに16日に開業した滞在型ホテル「ONTHE MARKS(オン・ザ・マークス)」(神奈川県川崎市、以下同ホテル)を裏付け資産として、同ホテルの開発主体である特定目的会社川崎開発に対する開発型不動産ノンリコースファイナンスを付与したと発表した。

国内のビジネス客や旅行客に加え、外国人観光客の宿泊ニーズも見込む

このたびのファイナンス供与は、築22年の事務所ビルをホテルにコンバージョンする計画に対して、新生銀行は既に2014年11月に特定目的会社川崎開発が発行する第1回の特定社債の引き受けを行っており、同ホテルの開業に伴い2015年10月に第2回の特定社債の引き受けを行う形でのファイナンスの供与を予定しているという。

同ホテルはホテルコンバージョン案件の事業企画・設計・運営に実績を持ち、外国人を含む観光客向けのゲストハウス型ホテルの運営も手掛けるUDSがオペレーターとして参画し、東京都心や横浜からのアクセスが良い川崎において、「バンクベッドフロア」、「コンパクトルーム」、「スタンダードルーム」の3タイプの機能の異なる客室構成(※1)を取り入れることで快適かつ合理的な価格帯の宿泊環境を提供し、国内のビジネス客や旅行客に加え、外国人観光客の宿泊ニーズも見込んでいるのが特長だという。

2020年開催予定の東京オリンピックなどを背景とする外国人観光客の増加とともに、リーズナブルな2段ベッドの宿泊スペースやゲストハウス事業などへのファイナンスのニーズも今後高まることが予想されるという。新生銀行は開発の初期段階から参画し、同ホテルの対象顧客層を踏まえた計画の検証や、オペレーショナル・アセット(※2)のファイナンススキームの構築などにおいて、同行の不動産ノンリコースファイナンスにおける高い専門性や知見を積極的に活用したとしている。

(※1)カプセルより広く快適な2 段ベッドの宿泊スペースである「バンクベッドフロア」、共用の水廻りが用意された個室タイプの「コンパクトルーム」、ユニットバスまたはシャワーの付いたセミダブルおよびダブルのプライベートタイプの「スタンダードルーム」が設けられる。 (※2)商業ビルやホテル、レジャー・アミューズメント施設、病院・診療所、高齢者施設など、施設の管理運営においてノウハウや専門性が求められ、物件自体の優良性に加え、当該資産のマネジメントに精通した専門のオペレーター(運営事業者)の選定次第でも収益が大きく変動する資産。

プロジェクトの概要

  • 施設名称:ON THE MARKS(オン・ザ・マークス)

  • 所在地:神奈川県川崎市川崎区小川町17-1

  • 建物概要:敷地面積705.84平方メートル、延床面積2,957.058平方メートル(ホテル部分のみ)、規模地下1階・地上6階、客室数227室

  • 開業:2015年9月16日

  • 事業主体:特定目的会社川崎開発

  • オペレーター:UDS