日本銀行は16日、2015年8月の金融経済月報を発表した。国内景気については、これまでと同じ「緩やかな回復を続けている」との判断を維持したものの、「輸出・生産面に新興国経済の減速の影響がみられる」との文言を追加した。

中国経済の先行きに懸念

海外経済については、「一部になお緩慢さを残しつつも、先進国を中心に回復している」から「新興国が減速しているが、先進国を中心とした緩やかな成長が続いている」に下方修正。輸出や鉱工業生産は、「振れを伴いつつも持ち直している」から「新興国経済の減速の影響などから、このところ横ばい圏内の動きとなっている」に引き下げた。

景気の先行きについては、「緩やかな回復を続けていく」との判断を据え置いた。一方、輸出と鉱工業生産は、前回までの「緩やかに増加していく」から「当面横ばい圏内の動きを続けるとみられるが、その後は、新興国経済が減速した状態から脱していくにつれて、緩やかに増加していく」に下方修正した。中国経済の先行きについては、「当面は製造業部門を中心に減速感の強い状態が続く懸念がある」とした。

3カ月前比でみた現状の国内企業物価は「横ばい」から「下落」に下方修正し、先行きも「横ばい圏内で推移する」から「当面下落を続ける」に引き下げた。また7月の生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価は前年同月比0.9%上昇と、2014年2月以来の伸び率となった。