説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『今度のiPhoneはそんなに「固い」の?』という質問に答えます。

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9月25日に発売されるiPhone 6s/6s Plusは、従来のiPhoneより「固い」ことが特徴です。ボディの素材はアルミ素材で変わりなく、キズに強くなる表面の陽極酸化皮膜処理(アルマイト)も同様ですが、アルミ合金の種類が変わりました。

アルミ合金は「Aからはじまる4桁の数字」で呼ばれ、その数値を見ることで大まかな特性と何を混ぜたかを判定できます。下3桁の数字は、混ぜる素材の比率や規定外素材の含有率で変化しますから、特性をいうときには○千番台/○千系などと呼ぶことが一般的です。

iPhone 6/6 PlusまでのiPhoneには、6000番台のアルミ合金が採用されてきました。6000番台はアルミニウムにシリコンやマグネシウムをくわえたアルミ合金で、加工性と衝撃吸収力の高さが特徴です。アルミサッシなど強度を要する建材にも多く採用されるほか、競技用自転車のフレームなどにも利用されています。

新たにiPhone 6s/6s Plusに採用された7000番台は、アルミニウムに亜鉛やマグネシウムをくわえたアルミ合金です。加工しにくく複雑な成形を苦手としますが、6000番台を大きく上回る強度が特徴です。航空機に採用されている「超々ジュラルミン」と呼ばれる素材も、この7000番台のアルミ合金です。

7000番台のアルミ合金は、すでにApple Watchに採用されています。iPhone 6s/6s Plusとまったく同じ素材かどうかは語られていませんが、同じかかなり近い素材である可能性は大です。Apple Watchのページには「標準的なアロイ(注:6000番台のアルミ合金)よりも60%強く」、「あらゆるアクティブなライフスタイルにふさわしい素材」と謳われており、iPhone 6s/6s Plusの強度も同程度アップしていると考えられます。

iPhone 6s/6s Plusのボディには、7000番台の高強度アルミ合金が採用されています