JR西日本は16日、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の車両デザインについて発表した。今年3月まで大阪~札幌間で運行された寝台特急「トワイライトエクスプレス」の伝統を受け継ぎつつ、「上質さの中に懐かしさも感じられるデザイン」としている。

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」のエクステリア。車体色は「瑞風グリーン」と命名された

同社の新たな寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は、ハイブリッド方式(ディーゼル発電機で発電した電力とバッテリーアシストによるモータ駆動)を採用した10両編成。1・10号車が展望車、5号車がラウンジカー、6号車が食堂車で、客室は7号車がスイート、2・3・8・9号車がツイン、4号車がツイン・シングルとなる。

デザインコンセプトは「ノスタルジック・モダン」。先頭車は展望デッキと5本のラインからなる流線形で、丸目のヘッドライトやボンネット型車両を思わせる運転室など、懐かしさも演出している。「瑞風グリーン」の車体色に金色のエンブレムとラインも配した。車内は昭和初期に一世を風靡(ふうび)したアールデコ調をベースに、中国5県の県産材を使ったドアや沿線の伝統工芸品をはじめ、沿線の魅力も散りばめたデザインとする。

客室は雄大な車窓風景を楽しめるように、大型窓を採用し、列車の左右両側を眺望できるレイアウトとした。さまざまなニーズに対応するため、4号車にシングルルームとユニバーサル対応のツインも用意。7号車のスイートは世界的にも希少な1両1室のスペースで、エントランスやプライベートバルコニー、リビング・ダイニング、寝室、バスルームを備えた「スイートと呼ぶにふさわしいあつらえ」となっている。

スイートは1両1室の広々としたスペースに。バスタブ付バスルームも備える

食堂車(6号車)はフォーマルな雰囲気ながら心地良い空間となり、食の匠による料理が提供される。ラウンジカー(5号車)は木を多用した落ち着いた空間となり、バーカウンターや立礼の茶の卓、ブティックスペースも設置。展望車(1・10号車)は天井付近まで続く大型窓の開放的な空間となり、展望デッキで沿線の風を感じることも可能だという。

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は2017年春からの運行開始を予定しており、「列車コンセプト『美しい日本をホテルが走る』にふさわしい車両でみなさまをお待ちしています」とJR西日本。なお、今回公開されたエクステリア・インテリアのイメージ画像については、「2015年9月時点のイメージ」とされている。

ツイン(ベッド収納時)

ツイン(ベッド使用時)

シングルルーム

食堂車

ラウンジカー

展望車(昼)

展望車(夜)

「瑞風」ロゴ