JR北海道は今年1月から運転見合わせとなっている日高本線鵡川~様似間に関して、新たに2カ所で路盤流出を確認したと発表した。
2カ所とも、台風17号の影響を調査していた同社社員により発見された。日高本線豊郷~清畠間では、海岸侵食防止のために設置した鋼矢板が倒れ、約80mにわたって土砂が流出。厚賀~大狩部間でもコンクリート製護岸壁の波返し部分が折れ、約50mにわたって土砂が海に流れていた。どちらの現場も線路周辺の路盤が大きく削り取られ、とくに豊郷~清畠間では線路より陸側まで土砂が流された箇所もあり、一部で線路が宙吊りになっているという。
長期にわたる運転見合わせの原因となった今年1月の被災では、厚賀~大狩部間で約13mにわたって線路脇の盛土が流出。同社は、同じ箇所で同様の土砂流出が繰り返されていることから抜本的な対策が必要とし、最小限でも復旧費用を約26億円と試算。一方で、復旧費用の負担は難しいとの姿勢を示しており、いまだ全線運転再開のめどは立っていない。