「お出かけ=土日」というイメージの人は多いかもしれませんが、皆が必ずしも土日休みとは限りません。仕事上平日しか休みが取れない人や、平日の昼間に時間のある主婦にとっては「平日だからこそ」のお得なサービスがあればうれしいはず。そこで今回は、平日のほうがちょっとトクする過ごし方やサービスを紹介します。

平日の昼間はクールシェアスポットへ!

平日最大のメリットは、土日に比べてどこへ行っても空いていること。大部分の人が仕事をしている平日は、街やお店の混雑も緩和されるため、どこへ行くにも、何をするにも比較的快適です。そこで残暑が厳しい今の時期は、家のクーラーを消して「クールシェア」を活用した平日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

クールシェアとは、消費電力量の多い夏の暑い時間帯に、家庭でのエアコン使用を控え、涼しい場所に皆で集まって過ごすという省エネ・節電対策のひとつ。街中の飲食店や公共施設、大型商業施設など、全国の自治体ごとにクールシェアスポットがあり『シェアマップ』で検索すれば近所のスポットがすぐに見つかります。図書館で落ち着いて読書をしたり、美術館でアートな気分に浸ったり…土日では混み合う施設でも平日なら利用しやすく、家の電気代も浮くのですから一石二鳥です。

『シェアマップ』画面

映画・カラオケは平日割引の鉄板!

映画やカラオケなどの娯楽系こそ、そこで過ごす時間も長い分、より安く利用したいもの。映画は通常大人1800円ですが、毎月決まった日や曜日の割引デイにはお得に観ることができるのをご存じでしょうか。例えば、毎週水曜日の「レディースデイ」や毎月1日の「ファーストデイ」には1100円になります。

東宝系のシネコン「TOHOシネマズ」では、毎月14日の「TOHOシネマズデイ」と毎週月曜日の「auマンデイ」(auスマートパス会員限定)には1100円に、毎週火曜日の「シネマイレージデイ」(会員限定)には1400円になるなど、独自の割引サービスを設けています。さらに、曜日に関わらず多くの映画館で実施している20時以降の「レイトショー」(1300円)や60歳以上が対象の「シニア割引」(1100円)、夫婦のどちらかが50歳以上であれば利用できる「夫婦50割引」(2人で2200円・同一上映回に限る)などを、空いている平日と絡めて利用するのも賢い手かもしれません。

(※料金は劇場により異なる場合があります。)

また、平日と土日とで利用する年齢層や雰囲気が異なり、最近では"ただ歌うだけ"ではないサービスの拡充が目覚ましいカラオケ。その料金も平日と土日とでは大きく違います。

都内を中心に展開する「カラオケルーム歌広場」では、平日限定の「ランチパック」というサービスを実施中。14時までの入店に限り、2時間歌い放題&ソフトドリンク飲み放題&1フードで580円(税込)という安さです。さらに+100円でもう1品オーダー可能。パーティールームや和室も完備する「シダックス」でも、平日の14時半~18時(最終受付17時)限定で、2時間歌い放題&1ソフトドリンク&1フードで580円(税込)の「ハッピータイムサービス」を行っています。例えば、土曜日の昼間に「歌広場」で2時間歌い、ピザ1枚を注文した場合には1000円~1800円程度(ソフトドリンク飲み放題含む)になるため、いかに平日の料金がお得かがわかると思います。

(※「カラオケルーム歌広場」の「ランチパック」を含む上記料金は店舗により異なります。)

(※「シダックス」の上記サービスは一部の店舗では実施していません。)

電車移動なら時間指定の回数券を!

出かけるとなれば、交通費もバカになりませんね。そこで、電車を使う際に覚えておきたいお得な切符を紹介します。

首都圏エリアの場合、最も基本的な節約法は平日の10時~16時まで使える「時差回数乗車券」の活用です。これは東京メトロなど主要私鉄各線で販売しており、10枚分の金額で12枚綴りなので2回分お得。各線の同一区間を行き来することが多い人などには、使いやすい切符です(土日祝日は終日利用可)。

一方、関西エリアにはJR西日本が発売する「昼間特割きっぷ」という超お得な回数券が存在します。平日10時~17時のほか、土日祝日は終日利用可能。関西の私鉄にも格安回数券はありますが、JRの昼特きっぷの特徴はその割引率の高さにあります。例えば、大阪―京都間の場合、通常は片道560円ですが回数券なら12枚で3800円。つまり7回分(560×7枚=3920円)の料金以下で12回乗れる計算です。定価(560円)で12回乗車した場合には6720円ですから、割引率にするとなんと43%引き。これらの回数券は駅の券売機で手軽に買えるほか、金券ショップや自動販売機(関西に多い)ではバラ売りしている場合もあるので要チェックです。

土日の混雑を避けられる上、交通費を抑えてこんなに安く遊べるなら、平日に仕事をしている人でもあえて休みを取って出かけたくなるのでは。ここに紹介した例はほんの一部。普段は土日に行くお気に入りのお店や施設にも平日限定のサービスがないか、一度確かめてみる価値はありそうですね。

(※料金はすべて2015年8月20日現在)

<著者プロフィール>

内田 歩美絵

フリーランスのライター兼編集者。学習院大学経済学部卒。地方銀行勤務を経て、ダイヤモンド社入社。マネー誌の編集業務を担当する中でさまざまな投資法を学び、その魅力と落とし穴を知る。独立後は経済・金融分野の雑誌、書籍、MOOKのほか、幅広い分野で企画・取材・執筆に携わる。モットーは「綿密なリサーチと話し手に寄り添う取材」。