米Appleは9日(現地時間)、サンフランシスコで開催された新製品発表会において、iOS 9を9月16日より提供することを発表した。6月のWWDCでアナウンスされた通り、インテリジェンス機能やiPadのマルチタスキング対応、ビルトインアプリ強化などがアップデートの大きなポイントとなっている。
インテリジェンス関連では、Siriがより広い検索対象に対応。日本からもスポーツやレストラン情報、映画情報などが検索可能になる。Safari、メール、メモなどのアプリ上の情報をリマインドしたり、計算・単位換算、アプリ内の情報の検索も可能だ。
また、ユーザーの日課や連絡先の使用頻度から、検索する前にアクションを提案したり、位置情報に応じて話題のローカルニュースを提供するアシスタント機能を搭載。検索だけでなく、カーオーディオに接続するとよく聞くプレイリストを表示したり、登録していない番号からの電話はメールの内容などから推測して名前を表示するなど、行動を先読みしたアクションを提案する。
iPad向けには複数のアプリを同時に表示できるマルチタスキング機能を新たに搭載。2つのアプリを同時に画面上に表示させる「Slide Over」、2つのアプリを並べて使用できる「Split View」、アプリを使いながらFaceTimeやビデオの視聴が利用できる「Picture-in-Picture」の3種類が用意されている。キーボードにはテキストのスタイル指定やコピー&ペーストなどの編集ツールが使えるショートカットバーや、二本指タッチでカーソルコントロールができるMulti-Touchジェスチャー機能も追加された。
ビルトインアプリのアップデートでは、新しく「メモ」にドローイング機能が搭載されるほか、チェックリストの作成や写真の取り込みといったリッチな文書作成に対応。「メール」では添付ファイルに図やコメントを直接書き込めるマークアップ機能を追加。iCloud上のファイルを添付ファイルとしてメールで送信することも可能となった。
新たに追加される「ニュース」アプリは、新聞・雑誌のデザインレイアウトとインタラクティブなデジタルメディアを統合し、利用者の関心を学習して関連したコンテンツを配信するパーソナライズされた媒体となる。また、「iCloud Drive」アプリも新たに追加され、ホーム画面上からフォルダを開くようにiCloud上のファイルへアクセスすることが可能だ。
「マップ」は一部都市で交通機関の情報に対応したが、日本では10日時点で非対応となっている。
この他、バッテリ消費の最適化により持続時間が標準で約1時間長くなり、さらに延長できる低電力モードも追加。また、ソフトウェアアップデートに必要な空き容量がより小さくなり、Install Later機能によりデバイスを使っていない時にアップデートを実行できる。パスコードの強化やOSレベルでの2段階認証搭載でセキュリティ面も強化されている。
対象機種はiPhone 4s以降、iPod touch第5世代以降、iPad 2以降、iPad mini以降。