整体師のりょうです。仕事中に肩こりで困った経験はありませんか? 今はパソコンを頻繁に使うため、首が前に垂れて背中が曲がり、ずっと同じ姿勢になっていることが多いですよね。

それでも「肩こりになったことがない」という人がいましたら、それは逆に注意した方がいいかもしれません。肩こりに気づいていないだけかもしれないからです。今日はオフィスをはじめ、仕事中にすぐできるストレッチをご紹介しましょう。

仕事中にいすに座ったままできるストレッチ

いすに深く腰掛け、背もたれに両手をかけます。そしてゆっくりと背もたれにもたれかかり、天井を見ます。このとき、絶対に息を止めないようにしてください。天井を見上げたら、ゆったりとした呼吸で20秒ほど静止します。

背もたれに両手をかける

ゆっくりともたれかかり、天井を見上げます

肩甲骨周辺がこって硬くなった人は、最初の手を後ろへ回すことすらできないかもしれません。また、首こりの激しい人は、天井を見上げられないかもしれません。

そんなときはできる範囲で少しだけやってみて、時間をおいてしばらくしてから再度行います。筋肉がほぐれると、だんだんできるようになっていきます。一度にやり過ぎて逆に傷めないよう注意して行ってください。

力を抜いてリラックス

では次に首の横側のストレッチを行ってみましょう。下の写真は、首の左側をストレッチしているものです(横並びの2枚は、角度を変えて撮影したものです)。この場合、右手でいすを固定するように座面を押さえ、左手は力を抜いてだらんとさせます。そしてゆっくり天井を見上げリラックスしてください。

そのままゆっくりと首を右側へ倒します。このとき、首を右肩の上に乗せるようなイメージで動いてください。呼吸は絶対に止めないで、20秒くらい静止します。反対側の首も同様に行ってください。

右手で座面を押さえ、ゆっくり見上げます

ゆっくり右側へ首を倒します

肩こり解消には、脇の下から肩甲骨もストレッチ

次に脇の下から肩甲骨周辺をストレッチしましょう。下の写真も先ほどと同じく、横並びの2枚は、角度を変えて撮影したものです。

まず、両手を上げて左手で右手の手首をつかみます。そのまま背もたれにもたれかかりながら、ゆっくりと手を左へ倒します。さらに背もたれに上体を押しつけるようにすると、ストレッチがより強力にできます。このまま呼吸を止めずに20秒静止します。

実はこのストレッチは、以前紹介したものと同じで、寝転んでいるか座っているかの違いだけです。仕事中は簡単に寝転べないので、いすに座ってできるバージョンを考えてみました。右側ができましたら、同様に左側も行ってくださいね。

両手を上げて左手で右手首を持ちます

左側へ手を引っ張り、さらに背もたれに上体を押しつけます

重い頭が抜けるようなストレッチ

さらにもうひとつご紹介しましょう! 首が引っ張り上げられるような気持ちよさを感じるストレッチです。

いすに深く腰掛け、両手を上から回して背もたれに手を置きます。ゆっくりと首を後ろへ垂れるように動かします。天井を見上げるよりもさらに後ろへ行く人は、後ろの壁を見るくらいまで動かしてみてください。重い頭がまるで抜けるかのように軽くなります。この際も決して呼吸を止めずに、20秒程度静止してください。

このストレッチは、背もたれに重心がかかりますので、いすが後ろへ倒れないように最初に確認してから行ってくださいね。実はこのストレッチも以前紹介したものと原理は同じで、座って行うバージョンです。

背もたれに上から両手を回します

ゆっくりと首を後ろへ倒します

肩こりというのは、同じ姿勢が原因になることがとても多いため、仕事中に少しでも肩こりを感じたら早めに改善しましょう。ため込むとつらくなるのは、何事も同じことです。

今日ご紹介したストレッチでしたら、仕事中にすぐできると思います。休憩時間まで我慢せず、できるだけ早め早めの対処で、肩こりを悪化させないよう心がけてください。

「たかが肩こり程度」と軽く思っていたら、肩こりが原因で大変なことにつながるケースもあります。肩こりと首こりは脳への血流を悪くしているので、仕事の効率も悪くなります。よい仕事をするためにも、ストレッチで改善してくださいね。

著者プロフィール

鮎川 良
奈良県の学園前にて「RYO整体院」を営む整体師ランナー。整体師だからこそ分かる身体のメカニズムを基に、ストレッチの重要性を説き、クリニックも開催する。ストイックにタイムを追求するよりも、健康で楽しいマラソンライフを提案。筋肉痛になりにくい身体作りや疲労回復のケア方法、自身が提唱する疲れにくいランニングフォーム「エンジョイラン走法」で、フルマラソン走破を目指す人のサポートをしている。著書に『がんばらないで楽に長く走る』(学研パブリッシング)がある。また、累計283万アクセス超の人気ブログ「整体師に学ぶ~マラソンによる筋肉痛改善方法と、フル完走ノウハウ」も執筆している。