昨今、ペットの健康診断の重要性が少しずつ普及したおかげで、猫の飼い主さん、犬の飼い主さんの中には、定期的に健康診断をしているという方も多く増えてきているだろう。健康診断や日々の健康チェックを行うことによって、病気の早期発見はもちろん、予防も可能となるため、定期的に病院を訪れることは非常に重要なのだ。
愛猫、愛犬の健康診断で困ることと言えば……
しかし、皆さん、ペットの健康診断を受ける際、困ったことはなかっただろうか。そう、検査項目が病院によってまちまちなのだ。
健康診断には、問診、触診、血液検査や尿検査など、様々な検査項目がある中で、愛猫・愛犬はどの検査を受けたら良いのか、飼い主が判断することはとても難しい。もちろん、獣医師と相談してどの検査を行うべきかは決めたら良いのだが、基準となる健康診断項目がないために迷ってしまい、結局「また今度……」となってしまう飼い主も少なくないのではないか。
日本で初めて! ペットの健康診断標準化
こうした現状を受け、このほど、全国の獣医師たちが立ち上げたプロジェクト「Team HOPE」が、何と日本で初めてのペットの健康診断の標準化を打ち出したのだ!! 健康診断の項目が、Team HOPEの全国の会員病院で統一され、また健康診断そのものが推進されていけば、より一層愛猫・愛犬の病気の早期発見と早期治療を実現することができる。その健康診断の名称が、「Team HOPE健康診断」だ。
"健康な時から"定期的に動物病院に行こう!
「Team HOPE」は、「ペットの予防医療」の普及を主たる目的としたプロジェクト。いつもより元気がない、食欲がないといった、体調不良の症状がペットに現れてから動物病院を訪れるのではなく、"健康な時から"定期的に通院することで、病気の早期発見と早期治療の実現とともに、ペットが健康で美しく長生きすることを目指すことを主旨としている。
「何だか具合が悪そうだな……」と思ったときにはもう手遅れなことも
特に猫は、自分の体調が悪いことを隠す生き物。体調の悪さを隠しきれなくなった時点で、いつもと違う様子に飼い主が気づくのだが、その時点では既にかなり病気が進行してしまっていることが多々ある。治療も困難になり、その結果愛猫にも負担がかかってしまう。
「健康診断なんて受けたこと、今までなかった……」という飼い主さんは、かかりつけの動物病院で、是非とも受けてみていただきたい。元気に健康に、「うちの子」に長生きしてもらうためにはとても大切なことなのだ。
どんな形で、健康診断が標準化されるの?
さて、現在病院ごとに項目が異なるペットの健康診断。今回標準化が進められるTeam HOPE健康診断の基本項目は次の9つだ。
【Team HOPE健康診断項目】
1.基本データの確認
2.身体検査
3.問診
4.視診・触診
5.聴診
6.血液検査
7.便検査
8.尿検査
9.レントゲン
飼い主と獣医師の二人三脚で愛猫・愛犬を守っていく
このTeam HOPE健康診断は、ペットが病気になっているかどうかを確認するだけでなく、病気の"芽"も、手遅れになる前に摘み取ることができるように配慮されたもの。本来「病気になってからペットの治療を始める」場所である動物病院は、同時に「病気の予防を行う」場所でもあるのだ。
Team HOPEの学術アドバイザーであり、一般社団法人日本臨床獣医学フォーラム会長の石田卓夫先生は、「定期的に健康診断を受けることで、飼い主さんも、愛猫・愛犬の体の特徴や健康状態のトレンドを知ることができます。人間でも、お腹がゆるい人、夏場に風をひきやすい人といった個人の体調トレンドがあるものですが、猫や犬にも同様にあります。そうした傾向も健康診断で獣医師に十分に説明してもらい、その子たちに適したご家庭での予防対策をとっていただきたいのです」
なお、Team HOPE健康診断は、2015年8月末より全国のTeam HOPE病院にて、順次受診が可能になっている。
健康診断の合間には「ウェルネスチェック」でペットの変化を見逃さない!
また、毎年の健康診断はもちろん大事だが、一方で健康診断だけでなく、日々のペットの健康管理もとても大切。普段一緒に暮らしていると、ペットの微妙な変化にはなかなか気づかないもの。ペットの体やしぐさなど大事なポイントをQ&A形式で測れる健康状態チェックシートがあれば、ペットの異常をすぐに見つけられるだけでなく、そのチェックシートを獣医師に見せるだけで、獣医師は次に何をすべきかがある程度分かる。
このチェックシートの名前は、「Team HOPE ウェルネスチェック」。チェックシートは公式サイト上で、無料で公開されている。ウェブ上で「はい」「いいえ」などで答えられる質問項目にチェックを入れ、最後にシートを出力し、それを印刷して病院に持っていくと診察が非常にスムーズになる。実際の使い方は、マイナビニュースの記事でも紹介したことがあった。
Team HOPEウェルネスチェックは、全国の実施病院で受けることができ、また実施病院では、その場でチェックシートをもらうこともできる。なお、実施病院は、チームホープのサイトで検索できる。
愛猫・愛犬が7歳以上の場合は、健康診断は年に2度
では、このような健康診断やウェルネスチェックはいつから受ければよいのだろうか?ご存知の通り、猫や犬は生まれてから1年で人間で言う20歳になり、それ以降は1年に4歳ずつ年をとっていく。そのため、様々な病気にかかりやすくなってくる7歳以上の猫・犬の場合は、変化や不調がなくとも、健康診断を年に2回行うことが推奨されている。
石田卓夫先生は、「例えば、最初の1回目は、(前述の)診断項目をすべて満たした十分な健康診断を、そして次の2回目は血液検査とウェルネスチェックのライトな診断を受けるなど、使い分けをしてはどうでしょうか」と話す。
なお、Team HOPEは、「ペットの不調、病気については、くれぐれもインターネットなどで安易に検索した情報で解決しないようにしてください」と注意喚起している。「うちの子」に元気に美しく長生きしてもらうためには、何といっても獣医師にきちんと相談をすることが重要なのだ。
猫の飼い主さんに健康診断について尋ねてみると……
愛猫の健康診断について、猫と一緒に暮らす写真家の桐島ナオさんは、「言葉を交わすことができない猫にとって健康診断はとっても大事なのだと改めて思いました。目で見るだけでは分からないことを教えてくれる健診はとても大切ですね。これからもレオンと楽しく元気に暮らしていくために、しっかり健康診断をしていきたいと思います! 」とコメントした。
「健康に見える動物にもっと目を向けなければなりません」
また、健康診断の標準化を進めるにあたり、「Team HOPEが推奨するペットの健康診断と、これからの予防医療」という獣医師向けイベントが東京で開催された。
関東地区委員長を務める、ゼファー動物病院院長の上條圭司先生は「Team HOPEは、獣医師が飼い主さんに寄り添いながらペットの健康維持を推進していくことを目的に作られました。昨年のチーム立ち上げ以来、多くの先生にご賛同を頂き、会員病院はどんどん増えております」と説明。
次に、Team HOPE健康診断の説明を行った王禅寺ペットクリニック代表の川瀬英嗣先生は、「ほとんどの飼い主さんはペットが病気になってから動物病院にいらっしゃいます。しかし、ペットの健康を維持し、飼い主さんとの楽しい時間を延ばすためには、現在健康に見えるペットにもっと目を向けなければなりません。
そのためには、動物病院から患者さんに近づかなければなりません。相談しやすい雰囲気や環境づくりに、我々獣医師がチームで取り組むことが大切です。飼い主さんが持つ来院へのハードルを下げて、ペットに関する心配事や疑問をもっと動物病院に気軽に相談してもらいたい。動物病院が普段から頼られる存在にならなければならない。そんな想いから私たちはウェルネスチェックや健康診断を開発しました。
今後は、個々の健康診断健診項目について、専門の先生からより詳細な検査方法や判定方法などを学ぶ獣医師の勉強会も開催していきます」と続け、会場の獣医師に対して、プロジェクトに対する理解と賛同を求め、参加を促した。
(画像提供:桐島ナオさん)
(マイナビニュース広告企画:提供 Team HOPE)
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