Eyeoは9月8日、広告ブロック機能を備えたモバイルブラウザ「Adblock Browser」の正式版を発表した。iOS版(iOS 8.0以上)をApp Storeから、Android版(Android 2.3以上)をGoogle Playから無料で入手できる。同社は、広告をブロックする拡張機能「Adblock Plus」をデスクトップブラウザ向けに提供しており、Adblock Plusのブロック機能とサービスをAdblock Browserにも用いている。
広告はユーザーのデータ通信を消費し、様々なサーバにアクセスするためWebサイトやWebページの表示を遅くする原因になる。Eyeoによると、Adblock Browserによってモバイルブラウザのデータ通信量を最大50%削減でき、バッテリー消費を最大23%節約できる。
デフォルトではブラウジングへの影響が少ない広告が表示されるようになっているが、全ての広告をブロックするようにしたり、ホワイトリストでフィルタリングするなど、広告ブロックをユーザーが柔軟にコントロールできる。また、トラッキング、マルウエア・ドメイン、ソーシャルメディア・ボタンをブロックするオプションも用意されており、ブラウジングの効率だけではなく、安全性やプライバシー保護も高められる。
ブラウザとしては、タブ、ブックマーク機能を備え、開いているタブをジェスチャーで閉じられるなど操作しやすいインターフェイスになっている。ただし、ブラウジング機能の設定項目がなく、ブラウジングのカスタマイズは制限される。
広告付きでコンテンツやサービスを無料提供するモデルによってWeb市場は成長してきたが、2~3年前から氾濫する広告と、広告提供のためのトラッキングが嫌われる傾向が強まっている。PageFairの「2014 Report - Adblocking goes mainstream」によると、2013年に広告ブロックツールの利用者が117%増加し、その後も増加ペースが衰えていない。特に若い世代に広告を嫌う傾向が現れており、IAB(Internet Advertising Bureau)がまとめた英国のWebユーザー調査によると、広告ブロックツールを使用しているユーザーが全体の15%だったのに対して、25-34歳は29%、18-24歳は34%だった。また若い世代になるほどデスクトップPCではなく、スマートフォンやタブレットでインターネットを利用する傾向が強まっており、主にポストPC世代からモバイルブラウザでの広告ブロック実現を望む声が上がっていた。