総合車両製作所(J-TREC)とJR東日本は7日、タイ王国の首都・バンコクの都市鉄道「パープルライン」へ、J-TRECが製造した車両の出荷を開始したと発表した。今年度中に全21編成63両をタイ王国へ輸送する予定だという。

タイ・バンコク「パープルライン」向け新造車両(J-TREC製造)が大黒埠頭から出荷された(画像2枚ともJR東日本提供)

パープルラインはバンコクメトロ社が運営し、バンコク北部のバンスー地区から北西郊外のバンヤイ地区を結ぶ計画の約23kmの鉄道路線。2013年11月、丸紅・東芝が出資する共同事業体を通じ、パープルラインの鉄道システムと10年間のメンテナンス事業を受注。JR東日本も事業参画し、J-TRECによるステンレス車両63両(3両編成21編成)を供給することが発表された。パープルラインは2016年8月の開業予定とされている。

J-TRECは「sustina(サスティナ)」のブランド名で、省エネルギー性・安全性・保守性を向上させた次世代ステンレス車両を積極的に展開して国内外の案件獲得に取り組んでおり、パープルラインへ供給する車両は海外向け「sustina」第1号に。車体前面・側面に紫のラインが入り、前面の貫通扉に「PURPLE LINE」のロゴも入った外観デザインとなった。このほど大黒埠頭(横浜市鶴見区)から2編成6両が初出荷された。

今後も新造車両の出荷が随時行われ、今年度中に全編成の輸送を完了する予定。JR東日本は丸紅・東芝と共同で、10年間のメンテナンス業務を実施するための準備も進めている。「日本国内と同様、高品質で故障の少ない鉄道車両およびメンテナンスを提供することで、快適にご利用していただき、バンコクの交通問題の緩和や地域の発展に貢献できるよう、一層の努力をしてまいります」とJ-TREC・JR東日本は発表している。