帝国データバンクは3日、2015年8月の景気動向調査の結果を発表した。それによると、8月の景気動向指数(景気DI)は前月比0.3ポイント減の45.1となり、2カ月ぶりに悪化した。
中国発の世界同時株安の影響も
8月は、世界的な金融市場の混乱に加え、公共事業の発注遅れや生産活動の弱含みが表面化。国内景気は、中国発の世界同時株安の影響で下押しされたが、雇用・所得環境は安定して推移しており、景況感の悪化は小幅に抑えられた。
業界別に見ると、全10業界中、株式市場変動の影響を受けた「金融」のほか、「製造」「サービス」など6業界で悪化。一方、プレミアム商品券やインバウンド消費の効果が見られた「小売」など4業界で改善した。業種別では、全51業種中、26業種で悪化、23業種で改善、2業種で横ばいとなり、景況感は業種間で二分する結果となった。
規模別に見た場合、大企業は2カ月連続で改善したのに対し、中小企業は2カ月ぶりに悪化した。
地域別では、全10地域中、南関東や九州など6地域で悪化、四国や北陸など3地域で改善、北海道で横ばい。公共工事の発注が先送りされる中、大型台風などの天候不順による店舗休業や漁獲高減少などもあり、地域間で差がついた。
今後の見通しについては、「年内はやや弱含みで推移するものの、景気対策の実施などで年明けから上向き傾向が強まる」と予想している。