スマートフォンの運用コストを節約できる"格安スマホ"(格安SIMサービス)が注目を集めている。現在、様々なMVNO(仮想移動体通信事業者)が業界に参入し、それぞれ特徴のあるサービスを打ち出している。

そこで本企画では、個別の格安SIMサービスを紹介していく。今回はニフティが提供する、月額900円(以下、価格はすべて税抜)から利用できるMVNOサービス「NifMo」について紹介していきたい。

ニフティが提供するMVNOサービス「NifMo」

独自の割り引きサービス「NifMo バリュープログラム」とは?

NifMoは、ニフティが提供するMVNOサービス。月額900円から利用でき、周辺サービスと連携した割り引き施策なども特長となっている。

NifMoでは、音声通話対応SIMカード、SMS対応SIMカード、データ通信専用カード、スマートフォンとのセットを提供。データ通信プランは3GBが月額900円、5GBが月額1,600円、10GBが月額2,800円となっており、SMS対応なら+150円/月、音声通話対応なら+700円/月となっている。

音声通話対応SIMカード、SMS対応SIMカード、データ通信専用カード、スマートフォンとのセットを提供。データ通信プランは月額900円(3GB)から利用できる

スマホとのセットプランには「ASUS ZenFone 2 Laser」(ASUS製)、「HUAWEI P8lite」(ファーウェイ製)、「富士通 ARROWS M01」(富士通モバイルコミュニケーションズ製)を用意。一括払いのほか、24回の分割払いも選べる。代金引換一括払いでASUS ZenFone 2 Laser、HUAWEI P8liteを購入した場合は31,112円、富士通 ARROWS M01なら37,778円。24回払いを選んだ場合、最大24カ月間データ通信プラン料から200円が割り引かれる「機器セット割」が適用できる。

スマホとのセットプランには、ASUS ZenFone 2 Laser、HUAWEI P8lite、富士通 ARROWS M01を用意する

NifMoでは、周辺サービスを利用することで料金を割り引く「NifMo バリュープログラム」を用意している。同プログラムでは、提携ショップで買い物をしたり、特定のアプリをダウンロードしたりすることで割り引きを実施する。ショッピング以外にも旅行やグルメなど、日常生活でよく利用するサービスが対応している。ニフティによれば、NifMo バリュープログラムにより2015年7月度に発生した還元額は、一人あたり平均1,041円だったという。3GBのデータ通信プランが月額900円なので、周辺サービスをよく利用するユーザーであればお得に利用できることが分かるだろう。

周辺サービスを利用することで料金を割り引く「NifMo バリュープログラム」を用意。余ったデータ通信量は翌月に繰り越せる

また、余ったデータ通信量は翌月に繰り越せる仕様。例えば3GBで契約しているユーザーが当月に2GBしか利用しなかった場合、翌月は1GB+3GB=4GBが利用できる。ちなみに翌月に繰り越せるデータ容量の上限は、契約プランの上限と同量となる。

3つの特徴的なサービス

長くISP事業(@nifty、アット・ニフティ)を運営してきた同社だが、格安SIMサービス市場ではどのような展開を考えているのだろうか。ニフティの担当者に話を聞いた。「NifMoは、MVNOとしては後発となります。そのため他社さんにはない切り口で、妥協のないサービスをお届けしたいと思っています。”興味はあるけど踏み出せなかった”というお客さんに使っていただけるようなサービスを常に考えながら開発に取り組んでいます」(担当者)。そんなNifMoで特徴的なのが、次の3つのサービスだ。

写真をプリントし放題になるNifMo プリント、電話1本で交換機が届くNifMo あんしん保証、スマートフォンのレクチャーが受けられるNifMo 訪問レクチャー

「NifMo プリント」(月額380円)は、写真をプリントし放題になるサービス。専用アプリで撮影した写真をワンタップしてクラウドにアップするだけで、印刷された写真が自宅まで届く。「NifMo あんしん保証」(月額380円)は、故障・破損・水濡れなどのトラブル時に電話1本で交換機が手元に届くサービス。届け先が本州・四国の場合は翌日に、北海道・九州・沖縄の場合は2日以内に届く。「NifMo 訪問レクチャー」(月額480円)は、スマートフォンの設定、基本操作の説明などのレクチャーを受けられるサービス。初回訪問レクチャーが24カ月以内であれば無料で利用できる。NifMo 訪問レクチャーの契約期間中であれば、再訪問レクチャーを何度でも優待価格で利用できる。ちなみに9月1日から9月30日までのキャンペーン期間内に「NifMo プリント」を申し込めば、NifMoの利用料金から月額380円を割り引くキャンペーンを実施する。

NifMoのメインユーザー層は30~50代の男性だが、最近では若い世代の利用者も増えてきたという。最も多く選ばれているのは、音声通話対応の3GBのプラン。その理由について、担当者は「3GBで月額900円というのは、市場の最安水準。音声通話対応のスマホとのセットプランを選んでも、月々3000円程度で利用できる。競争力のある価格帯になっていると思う」と話した。

このほかNifMoでは、電話がかけ放題になるIP電話ベースの「NifMo でんわ」も10月にサービスインさせる予定。生活に密着したサービスと連携できる点が、NifMoの魅力と言えそうだ。担当者は「日常生活の中で手放せなくなるような、そんな便利な付加サービスを今後とも追求していきたい」と意欲的に話していた。