トヨタ自動車は1日、外部電源供給を通じた「災害に強い地域・社会づくり」を目指し、プラグインハイブリッド車「プリウスPHV」をはじめとした「非常時電源供給」について紹介するWebページを公開した。
外部電源供給システムは、エコカーの代表であるハイブリッドカー(HV)の一部車種およびプラグインハイブリッドカー(PHV)、燃料電池自動車(FCV)に設定が可能で、クルマに搭載されたバッテリーからの電力供給で電化製品を動かすことができる。
そのため、非常時の電源としてクルマが持つエネルギーを活用することが可能となり、東日本大震災をきっかけに、次世代エコカーを災害時に使用する動きがさまざまな自治体や企業で見受けられるようになってきた。また、近年は異常気象による土砂災害のニュースが目立ったこともあり、ライフラインが停止した際の備蓄として、「食料」だけではなく、「エネルギー」の備蓄も注目されつつある。そこで同社は、今回開設したWebページで活用事例等の情報を随時掲載していく予定だ。
例えば、「プリウスPHV」の場合は、AC100V最大出力1,500Wの電力供給が可能で、合計1,500W以下であれば同時に複数の家電を使うことができる。またバッテリー容量が減ると自動的にエンジンが始動して発電するため、フル充電・ガソリン満タンの状態であれば、非常時には一般家庭約4日分(1日あたり約10kWhで換算)の電力を使用することが可能だ。
同Webページは、これまでの外部電源供給システムの活用事例として、宮城県警察と豊田市立藤岡南中学校の事例を紹介。宮城県警察では、信号機の稼動や電光表示板の点灯、トラブル発生時に現場での電力使用などを目的とし、2012年にプリウスPHVを12台導入。プリウスPHVのパトカーの外部電源供給システムで信号機を点灯させる訓練も実施されている。藤岡南中学校では、東南海地震を想定した防災キャンプを実施し、プリウスPHVは灯りの確保や炊き出し用家電の電源として活躍した。その他の活動事例は、随時紹介する予定となっている。