平成20年に始まり、全国1800以上の自治体で実施されている「ふるさと納税」。年々寄付者や寄付金額が増加しています。今年の4月から確定申告の必要のないサラリーマン向けに「ワンストップ特例制度」が創設されるなど制度が拡充されたことにより、さらに注目が集まり、画期的な納税制度として注目を集めています。
そもそもふるさと納税って何?
「納税」というと損なイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際は自治体への「寄付」です。自治体に寄付すると、上限はあるものの、確定申告により住民税と所得税から控除され、ほぼ全額が戻ってきます。控除の範囲内であれば、自己負担は実質2000円でOK。
自分の故郷ではない自治体に寄付することも可能で、寄付金の使い道を選べる自治体もあります。
そして、ふるさと納税の魅力の一つは、寄付をした自治体からの特典と呼ばれるお礼の品。豪華なお肉、新鮮な魚介類、ブランド米、果物、地酒などの地域の特産品や、商品券・レジャー優待券など、さまざまなお礼の品から、寄付金額に応じて好きなものを選んでもらえるのです。地元をアピールしようと、多くの自治体が魅力的な特産品を取り揃えています。
つまり、ふるさと納税は実質2000円でその地域の特産品が楽しめる、とてもお得な制度というわけです。
最近では、こんなひと味違った特典も登場!
お礼の品はご当地グルメが多く、今まではえび・かに・牛肉などが特に人気でした。しかし、今年人気を博しているのが家電商品です。
その先駆けとなったのは、平成27年1月から長野県飯山市のお礼の品として開始されたタブレットPCやパソコンです。
なぜ寄付金額が高い家電商品がお礼の品として人気なのでしょう。
それは平成27年4月1日からふるさと納税制度が改正されたからです。
寄付金が戻ってくる上限額(控除額)が2倍にアップし、住民税の1割から2割になりました。たとえば住民税を年60万円払っている人なら、上限額は6万円から12万円にアップしています。そのため、寄付金額が高い家電商品にも手が届くようになり、人気が出てきたのです。
例えば飯山市以外にも、岡山県備前市は寄付金額3万円でコーヒーマシーンが、長野県辰野町は10万円でデジタルカメラが、山形県米沢市は13万円でノートPCがもらえます。
他にもPC、キッチン家電、美容家電、カメラ、電動自転車など、さまざまな家電商品がお礼の品として登場しています。
ふるさと納税の今年の枠を使うなら12月31日まで。リミットギリギリだと品切れが続出するので、今のうちにチェックしてお気に入りがあればぜひゲットしましょう。
株式会社回遊舎
"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。