セゾン投信は26日、フィデューシャリー宣言を行い、投資信託運用業者として「お客さまのため」にのみ資産運用業務に従事し、専ら長期投資に努めることを公約した。また、それを実践するにあたって、当該事業継続に必要な合理的報酬のもと、一切の利益相反行為を排除することを確約し、すべての顧客に向けて明文化し公表した。
顧客の利益のため一意専心に努めていく
このたびの宣言は、7月に公表された金融庁モニタリングレポートにおいて、投資運用業者が顧客への忠実義務たるフィデューシャリーデューティの履行を求めていることに呼応するもので、そもそもセゾン投信はそうした要望以前に、創業以来当該理念を自ら掲げて、その実践に叶う直接販売を旨として貫いており、このたび業界に先がけて「フィデューシャリー宣言」を行うのは、日本の生活者が誰でも安心して長期資産形成へと行動出来る土壌づくりを先導する者としての、自覚と社会的責任を改めて人々に示す、セゾン投信自らの意志表明でもあるという。
セゾン投信は、「フィデューシャリー宣言」のもと、運用能力の更なる向上と、それを実現するための人材育成に注力し、顧客の利益のため一意専心に努めていくとしている。
フィデューシャリー宣言
セゾン投信は「お客様のため」にのみ資産運用を行う者としてのフィデューシャリー・デューティーの遵守を約束し、以下のことを宣言し、実践するとしている。
長期資産形成
(1) 同社は顧客の長期資産形成に適した商品の開発、運用、販売のみを行う
(2) 販売においては、積立・長期投資を推奨し、短期的投資や乗換投資を推奨することはない
(3) 販売手数料は顧客の投資効率を悪化させるとの考えから、徴収しない
(4) 顧客が長期資産形成を円滑に行えるように、投資教育に力を注ぐ
利益相反行為の回避
(1) 同社は、株主などの同社と利害のある関係者などとの資産運用業務に関連する取引等を一切行わない
(2) 同社は、同社ファンドの投資対象を選定するにあたり、当該有価証券の発行者と特別な関係を持たない
(3) 同社は、同社ファンドの募集・販売は直接販売を旨とするが、他社に委託する場合には、同社ファンドの販売に関して、この宣言に同意することを条件とする。また、同社は、販売を委託する会社と特別な関係を持たない
(4) 同社は、同社ファンドの募集・販売を行う販売会社などとの間で他の取引を行う場合には、顧客の利益に合致するものであることを前提とする
報酬等の合理性
(1) 同社は、顧客の最大の利益を実現するためにのみその資産運用管理業務を行い、そのために合理的に必要な報酬等を受け取る
(2) 同社は、信託報酬率等の費用の決定においては、顧客に提供するサービスに応じた合理的な報酬率を定める。同一内容のサービスを提供する顧客に対して、報酬の請求に関し異なる取り扱いはしない
(3) 既存ファンドの信託報酬などについても、適宜その適正性につき、同社の「事業継続性」と「お客様のコスト低減」とのバランスを図りながら検討を行い、不断の経営努力によりその低減に努める
(4) 同社が他社にファンドの販売を委託する場合の販売会社に対する信託報酬率は、同社が同社の直接販売においてあらかじめ定める信託報酬配分率を、すべての販売会社に対して適用する。また、販売手数料を徴収することは認めない
遵守態勢
(1) 同社は、この宣言を遵守するために必要な社内規則を整備する
(2) 同社は、この宣言が遵守されているかどうかを独立した内部監査部門により監視し、違反行為の未然防止に努める
(3) 取締役会は、この宣言の遵守状況につき、内部監査部門から定期的に報告を受け、遵守状況を監視・監督する