シャープは8月25日、都内で製品発表会を行い、振り込め詐欺対策機能を搭載したデジタルコードレスファクシミリ「UX-AF91CL」「UX-AF91CW」を発表した。発売は9月11日。価格はオープンで、推定市場価格は子機が1台の「UX-AF91CL」が35,000円前後、子機が2台の「UX-AF91CW」が45,000円前後(ともに税別)。

迷惑電話対策を強化

UX-AF91CLとUX-AF91CWは、不審な電話を自動判別し、着信拒否する機能を備えたファクシミリ。2月に発売された「UX-AF90CL」を機能強化したモデルだ。本体サイズはW296×D88×H190mmで、重量は約2.3kg。なお、迷惑電話を着信拒否するサービスの利用には、月額最大400円(税別)の料金がかかる。

主な機能として、未登録番号からの着信時に、振り込め詐欺対策モードが設定されていることをアナウンスする「自動聞いてから応答」、非通知の電話を自動で拒否する「非通知お断り」、家族や警察などあらかじめ登録した番号にワンタッチで電話をかける「あんしん相談ボタン」などを備える。このほか新機能として、着信拒否した件数を離れて暮らす家族などに伝える「メール通知サービス」を追加している。

UX-AF91CL

UX-AF91CW

UX-AF91CLには1台、UX-AF91CWには2台の子機が付属する

ファクシミリ記録紙トレイを伸長したところ

ディスプレイは4.9型で、漢字の表示が可能

子機を持つとこんな感じ

迷惑電話を取らずにすむように

現行のUX-AF90CLは、ユーザーが「お断り番号リスト」に登録した番号を自動的に着信拒否するシステムとなっている。つまり、お断りリストに登録するには、迷惑電話に一度出る必要がある。そこで新モデルでは、情報通信業を展開するトビラシステムズの「迷惑電話フィルタ」を採用。ユーザーが登録していない迷惑電話もフォローできるようになった。

迷惑電話フィルタは、警察や自治体が記録している犯罪使用番号、トビラシステムズが独自に調査した迷惑番号、トビラシステムズがユーザーから報告を受けた番号を集めた「迷惑電話データベース」に基づき、迷惑電話を自動的に着信拒否するシステム。データベースには約2万の電話番号が登録されている。登録件数は日々増加しているが、UX-AF91CLとUX-AF91CWはトビラシステムズのサーバーに定期アクセスすることで、常に最新のデータベースを入手する。

本体に搭載したLEDは、電話帳の登録番号からの着信時には緑色、未登録番号からの着信時には赤色に光る。また、未登録番号の中で「迷惑電話データベース」にヒットしたものや、非通知着信の場合は、着信音を鳴らさずに自動で拒否する

振り込め詐欺対策を、電話の機能がフォローする

モバイル事業本部 モバイルソリューション事業部長 辰巳剛司氏

発表会では、シャープ モバイル事業本部 モバイルソリューション事業部長 辰巳剛司氏が、昨今の振り込め詐欺被害状況を紹介。2015年に起こった詐欺事件の約8割が振り込め詐欺であること、固定電話の購買層と振り込め詐欺の被害者層が一致していることから、「ユーザーが思わぬ落とし穴にはまらないよう、電話機能で対策することが我々の社会的役割」との姿勢を示した。

また、詐欺の手口は巧妙化しながらも、固定電話を介している点は変化がないことを指摘。固定電話を使用した詐欺対策に強化の必要性を感じ、今回の新モデルを開発したことを明かした。

振り込め詐欺の被害者は「自分は大丈夫だと思っていた」人が大半

警察は、あやしい電話に出ないこと、通話を録音すること、周りに相談することを推奨。現行モデルの機能はこの3点に対応していたが、今回は「あやしい電話に出させない」機能を追加