紀伊國屋書店はこのほど、作家・村上春樹氏の新刊『職業としての小説家』(スイッチ・パブリッシング)の初刷り10万冊のうち、9万冊を買い取り、自社店舗および取次店を介して全国の各書店で9月10日から販売を開始すると発表した。
ネット書店に対抗し、出版流通市場の活性化を図る
初刷りの大半を国内書店で販売することで、ネット書店に対抗し、出版流通市場の活性化を図る。この試みは、紀伊國屋書店が2015年4月に大日本印刷と設立した合弁会社「出版流通イノベーションジャパン」が検討を進めている買切り・直仕入というビジネスモデルのひとつのパターンとなるという。
また、村上春樹氏の新刊書を紀伊國屋書店が独占販売するのではなく、大手取次店や各書店の協力を得て、注目の新刊書をリアル書店に広く行きわたらせ、国内の書店が一丸となって販売するという新しいスキームとなるとしている。
『職業としての小説家』は、村上春樹氏がはじめて本格的に、自身の小説の現場とそれを支える文学や世界への考えについて語った長編エッセイ。<作家・村上春樹>のなりたちを、自伝的な挿話も盛り込みつつ、味わい深いユーモアとともに解き明かしているという。全12章構成。価格は1,800円(税別)。