説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneの本体価格は世界共通ですか?」という質問に答えます。
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iPhoneというデバイスは、基本的に世界共通仕様の「グローバルモデル」です。通信規格などの事情により、モバイル通信用チップが異なるなどの違いはありますが、中国で大量生産したものをそのまま世界で販売しています。形状さえ合致すればどの携帯電話会社のSIMカードでも利用できる「SIMフリーモデル」が世界中で人気なのは、そのためです。
しかし、iPhoneの販売はまた別な話です。Appleは世界16カ国で展開する直営店やオンライン店舗(Apple Store)でiPhoneを販売していますが、価格はそれぞれの国・地域の事情を反映しており、一律ではありません。
たとえば、オンラインのApple StoreでiPhone 6のSIMフリーモデルを見ると、日本は8万6800円ですが、米国は649ドル/8万123円、台湾は22500NT/8万5186円と、多少の開きがあります(為替レートは8月21日のものを適用)。
同じ通貨(ユーロ)を使用する欧州においても、国ごとの価格差が存在します。iPhone 6のSIMフリーモデルを例にすると、ドイツは699ユーロ、フランスは709ユーロ、イタリアは729ユーロです。ドイツとイタリアの価格差は30ユーロ/約4163円ですから、国・地域ごとに差がある物流コストや人件費、マーケティング費用などを反映しているのでしょう。
一方、iPhone 6が3499レアル/12万4829円で販売されているブラジルのように、輸入品に対し課せられる税額が大きな比率を占める場合もあります。ただし、国内で製造されているにもかかわらず中国向けは5288元/10万2168円と高額で、米国や日本との価格差は税金だけとも言い切れません。ただ、相変わらず販売が好調なiPhoneですから、国・地域に応じたプライスタグはおおむね妥当なものであることは確かです。