家の中でもはしゃぐ子ども……。お友達の家で高価なものを壊してしまっては大変!

育ち盛りの子どもたち。元気に遊び回る中で物を壊してしまった……。そんな経験はないでしょうか。それがお友達の家でのことや、高価なものだったときにはさらに冷や汗モノ。そんなときに使える「個人賠償責任保険」「こども共済」をおさらいしましょう。

普通に遊んでいたつもりでも……

お友達の家で遊んでいて高価な置物を壊してしまった。友人宅のテレビを破損した……。

家の中でも走り回るのは、子どもにとっては当たり前。おもちゃを投げ合うのも普通の遊びの行為です。だからといって、被害にあった方にとっては「いたずら」や「やんちゃ」ではすみません。気持ちもおさまらないですし、親のしつけが悪いとして責任を問いたくなるのは当然でしょう。

責任を問われた親の方にしても、自分の子供がやったこととはいえ、弁償できるレベルを超える額になってしまうとたまりません。そんな時に役立つのが、第三者への損害賠償に対する保障。つまり、個人またはその家族が日常生活で誤って他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりして、損害賠償金や弁護士費用などを負担した場合の損害を補償する保険です。具体的には損害保険会社が取り扱っている「個人賠償責任保険」や都民・県民共済が取り扱っている「こども共済」などがあります。

保険会社で加入する場合、「個人賠償責任保険」は「傷害保険」に特約としてセット販売されている場合がほとんど。すでに加入している傷害保険がある場合、個人賠償責任保険がセットされているかどうか確認してみましょう。なお、親がこの保険に加入していると、自動的に子供が起こした事故でも保障されるので、別途子ども名義で加入する必要はありません。また賠償事故に対する示談交渉サービスも行ってくれるので安心です。

こども共済の方は、子供自身が被共済者となる生命共済に「第三者への損害賠償保障」が組み込まれています。こども共済による損害賠償保障額は1回の事故につき支払限度額が100万円。保険会社に比べると保障額は小さいものの、月掛金が1,000円なのはお財布への負担も軽く、安心です(こども1型の場合)。もう少し保障をアップさせたい場合は、月掛金2,000円のこども2型に加入することで支払限度額を200万円に上げることができます。しかしながら、保険会社のような示談交渉サービスはありません。

高価な物を壊した場合にきちんと弁償できる体制であることはもちろんですが、子どもおよび親同士の関係が壊れてしまわないように備えをしておくことが、子ども達のためにも何より大切でしょう。

保険にしても共済にしても、また両方に加入する場合でも、賠償責任額を超えての保障がされないことには注意が必要です。保険金額を大きくするとそれだけ保険料も高くなるので、子どもの年齢や行動を見ながら、起こりうる賠償責任を想定して保障を備えるといいでしょう。

※画像は本文と関係ありません。

著者プロフィール

武田明日香
エフピーウーマン所属ファイナンシャル・プランナー
南山大学経済学部卒業後、大手印刷会社に入社。2010年に、法人営業の仕事をしながら自己啓発のためにファイナンシャルプランナーの資格を取得。「女性がライフステージで選択を迫られたときに、諦めではなく自ら選択できるための支援がしたい」という想いから、2013年にファイナンシャルプランナーに転身。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく!トラベル!」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「webR25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。
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