出勤前の時間を有効活用する「朝活」。このたびおじゃましたインヴァランスも、早朝出勤した社員に朝食を提供する朝活カフェ「i-com CAFE」を実施している。会場となるミーティングスペースには、始業1時間前の朝9時過ぎになると、パンのいい香りが漂う。

インヴァランスのミーティングエリア

お客さんが来ない時間を有効活用

同社は都心のマンション開発や投資などを専門にする不動産企業。インヴァランスの朝活カフェ「i-com CAFE」は、新宿オフィスのミーティングスペースで運営されている。どのような目的で朝活カフェを実施しているのか、広報 チーフの小山冴依さんに伺った。

小山さん「ここはふだん、不動産投資セミナーや打ち合わせなどの来客対応に使われるエリアです。社員が使用する時間はあまり長くなく、職種によっては全く使用しない人もいました。そこで、この場所を社員のコミュニケーションの場としても活用しようということになったのです」

小山さんが話してくれたとおり、せっかくのおしゃれなオフィスを利用しないのはもったいない。その手段として、「カフェ」を採用とした訳とは?

小山さん「ある時お客様から、『不動産会社だけど、カフェっぽいね』と言っていただいたことがあって、『確かにカフェっぽいな…!』と(笑)。そこからヒントを得て、社員が使えるi-com CAFEにしたのです。始業時間は朝10時ですので、その前の1時間を朝活カフェの時間としています。朝は頭がスッキリしていますし、お客さんがいらっしゃらず、電話も鳴らないので集中力も高まります」

i-com CAFEの様子

朝食付きで早朝出社のモチベーションアップ

経済の動きを把握するため、朝9時半より新聞の読み合わせを実施するなど、早朝の時間を有効活用する習慣があった同社。カフェという形式で朝食を提供することは、社員のモチベーションをより高める効果があったと小山さんは語る。

小山さん「i-com CAFEでは、朝9時頃からパンとコーヒー、紅茶を提供していて、早朝出社した社員は自由に食べられるようになっています。一人暮らしの社員も多いので『会社が朝ごはんを用意してくれてうれしい』と好評です。朝食を取りながら新聞を読んで情報収集したり、勉強している社員も見受けられます。また、ふだんは一緒に仕事をしない社員同士で食べることもあるので、社内コミュニケーションの活性化にもつながっているようです」

朝活カフェのセッティングをするのは、カフェ係の社員(立候補制)。フレックス制をとる同社では、準備を始めた時間から勤務時間となるので労働時間が長くなってしまうことはない。朝早く来た分だけ早く帰れるというわけだ。

普段はお客さんとの打ち合わせなどに使われている

肝心のパンのお味は……?

「朝ごはんがある」とはいえ、おいしくなければモチベーションは上がらない。無料で朝食を提供しているi-com CAFEのパンは、美味しいのだろうか……?

小山さん「国内ホテルの朝食として提供されているパンを海外から取り寄せています。社員もおいしいと言っていますよ! 朝食がおいしいかどうかでやる気が変わるので、結構こだわって選んでいます(笑)。おなかにたまるタイプのパンをセレクトすることが多いですね」

i-com CAFEのパンメニューは月替わりで、取材時はパン・オ・ショコラ、クロワッサン、チーズツイスト、カクテルスナック(ピザ・ベジタブル)の5種類。取材後に味見をさせてもらったのだが、小山さんが胸を張る通りどれもクオリティが高い。疑って申し訳ない気持ちになった。

i-com CAFEのパンメニュー(小山さん提供:食べるのに夢中で写真を撮り忘れるという痛恨のミス)

終わりに

以前に取材した早朝フェスエクストリーム水鉄砲運動会のように、企業が主体となり朝の時間を有効活用するイベントや取り組みは増えている。インヴァランスのi-com CAFEもその1つだ。

コンビニの菓子パンをデスクでかじるよりも、i-com CAFEでゆったりとした時間を過ごしてから仕事を始める方がいいと語る小山さん。場所の有効活用からスタートしたi-com CAFEは、仕事に対する心のゆとりを生み出す効果もあるのかもしれない。

インヴァランス オフィスの様子