日本百貨店協会は19日、2015年5月の全国百貨店売上高を発表した。それによると、既存店ベース(店舗数調整後)の売上高は前年同月比3.4%増となり、4カ月連続で前年を上回った。全店ベースの売上高総額は5,612億965万円となった。訪日外国人売上高が前年の約3.5倍に拡大したことなどが寄与した。
インバウンド効果で化粧品や美術・宝飾・貴金属が好調
7月は、上旬まで天候不順が続いたものの、中旬以降からの天候回復やセール開始の変更などにより売上が伸びた。地区別に見ると、東京が同7.2%増、大阪が同6.2%増、名古屋が同6.2%増など、シェアの高い大都市を中心に好調で、全19地区のうち12地区で前年を上回った。
商品別では、主力の衣料品は盛夏物などのプロパー商材が動き同2.8%増。このほか、身のまわり品は同8.5%増、雑貨は同15.6%増、家庭用品は同3.0%減、食料品は同1.0%減と、主要5品目のうち3品目で増加した。細分類を見ると、衣料品全般が堅調だったほか、消費マインドの向上やインバウンド効果などを背景に化粧品が同18.4%増、美術・宝飾・貴金属が同22.3%増と、ほぼ全地区で増加した。
訪日外国人売上高は、中華圏やASEANからの来店客を中心に購買客数が同185.1%増加し、売上高も単月で過去2番目となる同248.7%増の約185億円を記録した。