帝国データバンクは、女性登用に対する企業の意識調査の結果を発表した。調査期間は7月17日~31日、調査対象は全国2万3,176社で、有効回答企業数は1万1,008社。
女性管理職が1割に満たない企業は80.8%
自社の従業員に占める女性の割合を尋ねたところ、「30%以上」と回答した企業は28.3%だった。自社の管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合では、「30%以上」とする企業は5.9%にとどまり、「0%(全員男性)」が50.9%で半数を占めた。さらに「10%未満」(29.9%)と合わせると、女性管理職が1割に満たない企業は80.8%となっている。
自社の役員(社長を含む)に占める女性の割合では、「0%(全員男性)」が61.5%で6割を超えた。「10%未満」(15.1%)と合わせると、女性役員が1割に満たない企業は76.6%だった。
女性管理職の平均割合を規模別にみると、規模が小さくなるほど女性管理職の割合は高くなり、2014年と比べるとすべての規模で上昇した。業界別では、「小売」「不動産」「金融」「サービス」で高く、「運輸・倉庫」「建設」「製造」などで低かった。
女性管理職割合、7割が5年前と「変わらない」
自社の女性管理職割合は5年前と比較してどのように変わったか尋ねたところ、「変わらない」とする企業は71.4%だった。割合が「増加した」と回答した企業は18.8%、「減少した」企業は4.4%にとどまった。現在と比較して今後どのように変わると考えているか聞くと、約6割が「変わらない」と答えているが、2割超は「増加する」と回答している。
自社において女性の活用や登用を進めているか尋ねたところ、企業の41.1%が「進めている」と回答した。女性の活用や登用を「進めていない」企業は約3割であった。
女性の活用や登用を進めている企業にその効果を尋ねたところ、「男女にかかわらず有能な人材を生かすことができた」が7割を超えた。以下、「女性の労働観が変化してきた」「女性を登用したことで業務が円滑に進んだ」「従業員のモチベーションが上がった」などの回答がいずれも2割を超えた。
女性の活躍促進のために重要なこと「仕事と子育ての両立支援」が1位
女性の活躍を促進するために重要だと思うことを聞くと、「仕事と子育ての両立支援(育休復帰支援など)」(57.4%)、「妊娠・出産・子育て支援の充実」(54.3%)が半数を占めた。「保育サービスの充実(待機児童や保育士不足の解消など)」が4割超となるなど、女性の家庭における負担軽減に関する項目がトップ3となった。
企業からは、「社会全体、地域全体で支援することで、女性の負担軽減、ひいては少子化問題までつながるため、積極的に取り組む必要がある」や「育児休業を取った場合の男性をサポートする制度が整わないと、女性進出ばかりを掲げても実現は難しい」など、男性に対して、地域や社会全体として支える仕組みが重要とする意見が多かった。