映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(前編8月1日、後編9月19日公開)の劇中に登場する対巨人用兵器「立体機動装置」の開発にかかわる秘話を描いたスピンオフ作品『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 反撃の狼煙』が、8月15日より映像配信サービスdTVで配信されている。
開発に関わるキーマンとして登場する新キャラクター・イズルを演じるのは、2003年の俳優デビュー以来、数々のドラマや映画に出演してきた俳優の平岡祐太だ。原作のファンでもある平岡に、ファンならではの目線で作品の見どころを語ってもらった。
――初めて巨人を見た時のイズルの表情が印象的でした。
気になりました? 原作を改めて読み返した時に、あれぐらいやってもいいんじゃないかなと思ったんですよね。「得体の知れないものが目の前に現れた」という感覚を大事に演じた結果、ああいうことになりました(笑)。
――会議のシーンも、劇場版にはないコミカルさがあります。
脚本で読んだ時にはそんなイメージではなかったんですが、現場に行ったら、あのくらいやってもいいかなという気がしてきちゃって。石原(さとみ)さん演じるハンジって、すごく色がある。だからそこにイズルが関わって行く時に、(ハンジを)受け入れつつも、イズルなりの色を出した方がいいなと思って……。
――原作のファンだとお聞きしました。演じる前に読み返してみて、改めて作品の魅力をどう感じましたか?
ありそうでなかったテーマの作品ですよね。作品の評価については、僕が語らずとも、すでにみんなすごい語っていると思うんです。ただ、僕が読んでいて感じたのは、巨人とのやりとりがちょっとおかしくって笑えるところがあるんです。いろんな巨人が出てきて、その巨人がキモカワイかったりして。だから、今回演じる際には「シリアスになりすぎないようにしよう」ということは心がけていました。
――原作ファンの目から見た、現場のセットや小道具の感想をぜひお聞きしたいです。
一番びっくりしたのは、小道具として置いてあったノートに描かれていた巨人の絵の再現度の高さですね。もう、原作者の諫山創先生が描いたんじゃないかっていうくらいの完成度でした。もちろん、立体機動装置のリアルさにも注目していただきたい。セットも、いままで漫画で平面で見ていたものがそのまま立体化されたような本格的な造りで感動しました。
――劇中では、イズルはハンジと抜群のコンビネーションを発揮しています。
石原さんの"ハンジ感"は見ものです! 僕も現場に入った時に感動しましたが、ぶっ飛んでいる感じとか、絶叫する姿とか、完全にハンジでしたね。
――現場での石原さんに"ハンジ感"はありましたか?
撮影中はハンジそのものでしたが、現場では差し入れを持ってきてくれたりと、非常に女子力が高かったですよ。
――今回イズルは、ハンジにとって研究を進める上で重要なきっかけをもたらす役どころでした。平岡さんご自身は、役者として活動をする中で、演じることに対する意識を変えるきっかけになった出会いなどはありましたか?
2013年に公開された映画『キッズ・リターン 再会の時』です。この時はボクシングだったのですが、役作りでは肉体的な準備も大切なんだなと改めて思いました。もう一つ、これはいつからかは明確じゃないのですが、"役を制限"しないようになりました。昔は、現場で「もっとこうやって」と指示が出ても、自分が役に抱いているイメージと違う場合は「僕はこう思います」と意見していたんです。でも、経験を積むにつれて、ある時点からスタッフの方が言っていることがすごくわかるようになってきたんです。だから今では、"役柄の範囲内であれば"という条件付きですが、役に対して柔軟になってきているように思います。
――最後に、ドラマを楽しみにしているみなさんへメッセージをお願いします。
ドラマでは、原作でも描かれていなかった、立体機動装置が開発される過程が描かれています。ぜひドラマを見て、それから劇場版の後編を楽しんでください!
■プロフィール
平岡祐太(ひらおかゆうた)
1984年9月1日生まれ。山口県出身。2002年に「第15回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞し、デビュー。その後俳優として多くのドラマや映画で活躍し、『スウィングガールズ』(2004年)では第28回日本アカデミー賞の新人俳優賞に輝く。2015年11月8日からは、狂言師の野村萬斎が企画・監修を務める現代能楽集VIII『道玄坂綺譚』にて舞台の主演を務める。そのほか、2016年春公開予定の映画『縁~THE BRIDE OF IZUMO~』にも出演。