スマートフォンの運用コストを節約できる"格安スマホ"(格安SIMサービス)が注目を集めている。現在、様々なMVNO(仮想移動体通信事業者)が業界に参入し、それぞれ特徴のあるサービスを打ち出している。

そこで本企画では、個別の格安SIMサービスを紹介していく。今回は、シンプルでおトクな料金プランを提供している「Y!mobile」について紹介していきたい。

無料通話が強みの「Y!mobile」

Y!mobileは、ソフトバンクモバイルがワイモバイルブランドで展開する通信サービス。シンプルな料金プラン、大手通信キャリアに比べて格安な利用料金、Yahoo! JAPANやソフトバンクとの連携サービスなどが主な特長となっている。

Y!mobileは、シンプルな料金プラン、大手通信キャリアに比べて格安な利用料金、Yahoo! JAPANやソフトバンクとの連携サービスなどが主な特長

Y!mobileでは、3つのパケット定額サービスを提供。「スマホプランS」は月額2,980円(以下、価格はすべて税抜)で月1GBまで、「スマホプランM」は月額3,980円で月3GBまで、「スマホプランL」は月額5,980円で月7GBまで高速データ通信が可能(スマホプラン割引適用時)。通信規制時の最大速度は128kbpsで、500MBごとに500円の加算で制限を解除できる。

「スマホプランS」は月額2,980円で月1GBまで、「スマホプランM」は月額3,980円で月3GBまで、「スマホプランL」は月額5,980円で月7GBまで高速データ通信が可能

音声通話に関しては、1回10分以内の国内通話をY!mobileでかけられる(各プランとも共通)。このプランは通話相手を選ばず、他社ケータイや固定電話であっても適用される。10分超過の通話に関しては、20円/ 30秒。

音声通話に関しては、1回10分以内の国内通話を月に300回まで無料でかけられる(各プランとも共通)。他社ケータイや固定電話であっても適用される

条件は付くが、"音声通話が無料"というのは競合するMVNOにはない特長だ。かつてウィルコムで提供していた「だれとでも定額」のDNAを引き継ぐサービスと言えるだろう。市場の相場は20円/ 30秒なので、他社サービスでは1日1分、30日で30分話すと想定しても月に1,200円の通話料が発生する。それを加味すれば、Y!mobileが提供するプランのコストパフォーマンスの良さがうかがえる。

マイルが貯まればさらにお得になる「パケットマイレージ」

Y!mobileでは、Yahoo! JAPANの提供サービスを使えば使うほどマイルが貯まり、貯まったマイルのランクに応じて高速で使えるデータ容量の追加料金が無料になる「パケットマイレージ」を提供している。貯まったマイルに応じて翌月のランクが決定し、各ランクに応じた高速データ通信容量を無料で追加できる仕様。80~199マイルなら+0.5GB、200~399マイルなら+1GB、400~599マイルなら+5GB、600マイル以上なら無制限となっている。

Yahoo! JAPANの提供サービスを使えば使うほどマイルが貯まるパケットマイレージを提供

このほか、Y!mobileでは光ブロードバンドサービス「SoftBank 光」と連携した「光おトク割」を提供している点も特徴。同サービスは「SoftBank 光」とY!mobileのスマートフォンをセットで利用することで、毎月のスマホ利用料金から最大で月々5,200円割り引くサービスだ。

モバイル端末とのセットサービスも充実

Y!mobileは、モバイル端末とのセットサービスも充実している。通信事業者としては唯一の取り扱いとなる約6インチの「Nexus 6」、約5.5インチのクリスタルディスプレイが特長の「AQUOS CRYSTAL Y 402SH」などのAndroidスマートフォンに加え、Windowsタブレットの「Surface 3(4G LTE)」、Androidタブレットの「Media Pad m1 8.0」なども取り扱っている。

Y!mobileは、モバイル端末とのセットサービスも充実している

サービス内容だけでなく、ネットワークの品質も特徴

ソフトバンクのネットワークが思う存分に利用できる点もY!mobileの強みだ。MVNO(仮想移動体通信事業者)は、通信会社との契約で設定された回線の中でサービスを展開している。これにより、多くのユーザーを限られた帯域幅の中に詰め込んでしまう可能性があり、みんながデータ通信を利用したい時間帯に、速度が出ないなどのデメリットの発生も考えられる。一方、Y!mobileでは「ソフトバンクで出ている通りの通信速度が出る。だから、安心して使っていただける」(同社担当者)という。

ソフトバンクのネットワークが思う存分に利用できる点もY!mobileの強み

またY!mobileでは利用者が1人でスマホ、タブレット、ウェアラブル端末など複数の通信機器を所持する「マルチデバイス時代」の到来を見据えている。担当者は「各デバイスひとつひとつに3,000円の通信料を支払うとなると家計的に厳しい。でも、例えばスマホプランLなら無料で最大3枚のSIMが使える。データ通信容量をシェアできるので、気兼ねなく利用できる」とアピールした。

最近では50代、60代の利用者も急激に増えているのだとか。その理由について尋ねると、担当者は次のように解説する。「昔からパソコンを使われている利用者の中には、まだガラケーをお使いの方も多い。スマホに乗り換えるにあたって、皆さんどこの会社にしようかと迷われる。そんな際に、ポータルサイトで昔から馴染みのあるYahoo!と協業するY!mobileなら安心できる、ということで選んでいただけているのではないかと思う。街中に実店舗があるのも大きなメリット。使いこなせるか不安、といった理由で迷っている方は、誰かに背中を押してもらうことが必要なので」。

無料の音声通話と、質の高いデータ通信を提供するY!mobileのサービス。担当者は「格安SIMサービスというよりは、キャリアグレードのサービスを安く提供させていただいている、という方が近い」と話していた。ちなみにY!mobileでは現在、1周年記念キャンペーンを展開中。高速データ通信容量が2年間2倍になるなどの特典が用意されている。気になった方は、同社キャンペーンサイトで確認してほしい。