俳優・中村倫也主演、柳沢翔氏の初監督映画『星ガ丘ワンダーランド』(2016年公開)が、第39回モントリオール世界映画祭ファースト・フィルム・ワールド・コンペティション長編部門に招待されることが、このほど明らかになった。

映画『星ガ丘ワンダーランド』場面写真

モントリオール世界映画祭は、毎年8月下旬から9月初頭にかけてカナダの同地で開催されている国際映画製作者連盟(FIAPF)公認、北米最大規模の国際映画祭。2008年に『おくりびと』が最優秀作品賞を受賞、2010年には『悪人』で深津絵里が最優秀女優賞、2014年には『ふしぎな岬の物語』が審査員特別賞グランプリとエキュメニカル審査委員賞の2冠を、『そこのみにて光輝く』が最優秀監督賞を獲得したことなどで知られる。

ファースト・フィルム・ワールド・コンペティションは、初監督作品のみを選出。2009年には、西川美和監督、笑福亭鶴瓶主演『ディア・ドクター』が選ばれた。2015年は『星ガ丘ワンダーランド』のほか、菊地健雄監督『ディアーディアー』(10月24日公開)とクラウドファンディングで製作された壱岐紀仁監督『ねぼけ』も同部門で出品され、数十本のノミネート作品から金賞、銀賞、銅賞が選ばれる。

このことを受け、中村、共演する佐々木希、柳沢監督がコメントを寄せた。中村は、「『日本映画を世界へ』が自分の目標であり、夢のひとつでした。とても嬉しく光栄に思っています」と率直に感動を述べ、「海外の方々がこの美しい作品をどう観るのか、どう受け取るのか。僕自身、一映画ファンとして、楽しみにしています」と期待に胸を膨らませる。佐々木も「本当にすてきな作品に巡り会え参加する事ができたことを心から嬉しく思います」と感慨深げで、「監督の演出、中村倫也さんのお芝居にたくさんの事を学びました」と続けた。

そして、柳沢監督は「連絡を受けた時、スタッフ、キャストの皆さんの顔が浮かびました」と振り返り、「みんな、やったよ! 叫びたくなりました」と感激を隠せなかった様子。「彼らと一緒に作った作品が、沢山の方に観てもらえるチャンスを得た事が、本当に嬉しいです!」と、力強く語る。

オリジナルストーリーで描かれる本作は、星ガ丘駅の落し物預り所で働く駅員・温人(中村倫也)が幼いころに自身を捨てた母の自殺を知り、ある事件の真相にたどりつく物語。佐々木、木村佳乃、杏、菅田将暉ら同事務所(トップコート)の人気俳優陣が脇を固め、切ないミステリーに彩りを加える。

(C)2015『星ガ丘ワンダーランド』製作委員会