オーストリア造幣局はこのたび、1月から6月の世界市場と日本国内における資産用地金型金貨「ウィーン金貨ハーモニー」の販売量をまとめたと発表した。
金による資産形成で備える姿勢を重要視する傾向が広まった
2015年1月から6月までの世界全体での「ウィーン金貨ハーモニー」の販売量は、重量で290,271オンスだったという。これは、前年同時期(2014年1月から6月)の211,322オンスに対し、37.4%の増加になるという。枚数では、2015年1月から6月は473,550枚の実績で、前年同時期(2014年1月から6月)の販売枚数の336,400枚から40.8%増加する結果となった。月別で最も販売量の多い6月では、昨年(約32,900オンス)の2.1倍の約69,300オンスとなったとしている。
金の国際平均価格(ロンドン金価格)は1月にスイス国立銀行が対ユーロ為替上限撤廃を発表したことによる金融市場混乱の警戒感から今年最高値をつけた後、堅調な米国経済を背景とするドル高傾向から3月には上半期最安値となった。4月以降は、ギリシャ債務問題の不透明感などから下値を支えながらも、米国の利上げ観測に上値を抑えられ、1200ドル/トロイオンス近辺を推移しているという。従来、金価格が上がると販売量が増える傾向にある世界販売量が、金価格が下落傾向にあった6月でも好調な事から、世界経済の動向に対して金による資産形成で備える姿勢を重要視する傾向が広まった様子がうかがえるとしている。
国内の金税抜平均小売価格は昨年同時期を400円以上上回る
2015年1月から6月までの日本での「ウィーン金貨ハーモニー」の販売量は、日本総代理店である田中貴金属工業によると、重量で約27,301オンス。これは、前年同時期(2014年1月から6月)の約30,799オンスに対し、11.4%の減少。また、枚数では、2015年1月から6月は35,623枚となり、前年同時期(2014年1月から6月)の販売枚数の38,524枚から7.5%減少する結果となったという。
2015年1月から6月の金税抜平均小売価格(4,710円/g)は昨年同時期(4,297円/g)を400円以上上回ったという。国内の販売量については、金価格が下がった時に販売量が増える傾向にあるが、金価格が高値で推移する中、2015年上半期の販売量が11.4%と微減に留まっている事から、金貨による資産形成への根強い関心がうかがえるとしている。