パイ インターナショナルは、『めでる国芳ブック ねこ』を7月23日に発売した。定価は税別1,800円。全シリーズ3部作の予定で、『めでる国芳ブック おどろかす』(2015年12月)、『めでる国芳ブック どうぶつ』(2016年3月)が刊行予定となっている。

『めでる国芳ブック ねこ』(著者・金子信久)

思わず見入ってしまう歌川国芳による猫の絵

浮世絵に興味がないという人にも手に取りやすい画風の江戸時代末期の浮世絵師「歌川国芳」による猫の絵を紹介した同シリーズ。独自の観察眼で猫の日常を観察し、猫のひとつひとつの仕草に愛情を感じていたことのわかる絵は、今の時代にも十分楽しめる内容となっている。

一枚ずつ切り取って楽しめる

本でありながら1枚1枚をきれいに切り離すことができる仕様となっており、江戸時代の人々が絵草紙を楽しんだのと同じように、同作品の雰囲気を楽しめる紙質、サイズ等の工夫がなされている。第1弾では、味わい深い美人画の猫、代表作の猫の当字、役者の似顔絵、さらに猫を描いためずらしい絵も掲載されている。日・英解説入りで、本として読むことももちろん可能だ。

着物の柄にも注目

歌舞伎に興味があれば、猫顔の役者の名や役どころに注目するのも良い。実物に近いサイズで見ることができるため、猫役者が身につけている着物の柄や、ハマグリと魚の開きになっている小道具など細かな点にも気づき、一層楽しむことができる。

3枚続きの迫力のある絵も並べて楽しめる

著者の金子信久氏は府中市美術館の学芸員でもあり、毎年春に開催される江戸絵画展ではユニークな視点で江戸絵画の楽しみ方を紹介している。同作でも歌川国芳ならではの世界観と絵の楽しみ方をわかりやすく解説している。