お菓子工場は子どもも大人にとっても夢の場所

大人も子どもも大好きなお菓子やアイスクリーム。そんなお菓子・アイスが工場で量産されていく姿は、きっと誰もがワクワクしてくるような風景だろう。今回は数あるお菓子・アイス工場&スポットのうち、見学ができて試食も楽しめる東京周辺の3つを紹介しよう。

懐かしの「グリコのおもちゃ」も

まずひとつ目は「グリコピア・イースト」(埼玉県北本市)。キャラメルやポッキーでお馴染みの江崎グリコの工場だ。

2012年12月にオープンしたグリコピアは、工場とミュージアムが合体した様々な楽しみが凝縮された見学施設。ポッキーやプリッツの製造工程を見学できるほか、「物語・チョコレートができるまで」の上映や、子供のころを思い出しそうな「グリコのおもちゃ」が約1,500点並んだ展示を楽しめる。

ミニファクトリーでは、有料で「ジャイアントポッキー」や「コロンの棒」にデコレーションもできるという。また、フォトスタジオゾーンで待ち受ける、高さ3.5mの「ランナー」と一緒に記念撮影をすることもお忘れなく。お菓子のお土産まで付いていて、かなり得した気分になれる見学だ。

2人以上での予約が必要で見学は無料。アクセスはJR高崎線/湘南新宿ライン「北本駅」よりタクシーで10分ほど。JR「新宿駅」から北本駅まではJR湘南新宿ラインで50分ほどとなる。

ノベルティグッズ付きのアイス工場

同じ埼玉県にはもうひとつ、ぜひ訪れてみたい工場がある。「赤城乳業本庄千本さくら『5S』工場」(埼玉県本庄市)だ。ここでは30年以上に渡る超ロングセラーのアイスキャンディー「ガリガリ君」が生産されている。

見学はガイドの案内でじっくり巡る90分。至る所にガリガリ君キャラクターが登場する製造ラインの見学を経て、「ガリガリ君大仏」が祀られた「ガリガリ神社」のある「ガリガリ広場」へとたどり着く。あるもの全ての名前は"ガリガリ"なようだ。最後にはお待ちかねのアイスの試食を楽しもう。お土産としてオリジナルノベルティグッズをもらえるのもうれしい。

見学は無料だが、希望日から2カ月前の予約が必要なため、「行こう! 」と思ったら即予約しよう。それでも人気が高く、抽選の場合もあるようだ。今からだとアイスを食べたい季節から少し遠ざかってしまうが、秋や冬の方が予約が取りやすいとのこと。アクセスはJR高崎線「本庄駅」もしくはJR八高線「児玉駅」よりタクシーで20分ほど。JR「新宿駅」からはそれぞれJR埼京線などを利用して1時間30分~1時間50分となる。

コンサートも楽しめるお菓子工場

埼玉県のお隣、群馬県にはたくさんのお菓子工場がある。その中でもユニークなのが「ガトーフェスタ ハラダ本社工場シャトー・デュ・エスポワール」(群馬県高崎市)だ。

贈り物などでも人気の高いラスク「GOUTER de ROI」(グーテ・デ・ロワ)などの洋菓子で知っている人も多いのではないだろうか。明治34年(1901)に洋菓子店として創業したというガトーフェスタ ハラダの本社工場は2008年に完成。ここでは1日に120~130万枚のラスクが作られているという。

本社と工場は優雅なギリシャ風の建築で、内装はモダンかつスタイリッシュにまとめられている。その内部を行く「工場見学ギャラリー」では、ラスクの製造工程を見学できる。館内に設置されたパネルやビデオでの解説を見ながら自分のペースで自由に巡ってみよう。もちろん、できたてラスクの試食も楽しめる。

工場と隣接した本社館内の広々とした直営店「シャトー・デュ・ボヌール」にも立ち寄りたい。ここでしか買えない限定品や、割れてしまっているが味は変わらないB級品ラスクなども販売されているそうだ。見学は無料で、9人以下なら予約なしでOK。ただし、月~金曜日のみオープンなので注意しよう。

また、本社内の「エスポワールホール」やロビーでは月に一度、有料でコンサートやアートの展覧会などのイベントを行っている。「芸術や文化を通じて感動を発信する『お菓子と文化の融合』」の一環なのだそう。コンサートの料金は地元の文化振興や公的機関へ寄付されるとのこと。工場見学と併せれば、「お菓子とアートの一日」が楽しめそうだ。

アクセスはJR湘南新宿ライン「新町駅」より徒歩15分ほど。JR「池袋駅」から新町駅まではJR湘南新宿ラインで1時間30分ほどとなる。

目の前にあるだけで、ちょっとワクワクした気持ちになるお菓子やアイス。工場内を歩いていると、作られていく過程の甘い香りが漂ってくることもあるという。童心に返った気分で工場巡りを楽しんでいただきたい。

※写真はイメージで本文とは関係ありません

筆者プロフィール: 木口 マリ

執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。