「エビデンス取っておいてくれた?」「エビデンスがなきゃ話にならないよ」等、突如上司の口から知らないカタカナ語「エビデンス」が飛び出してきて、面食らってしまった人も多いのではないでしょうか。そこでビジネス用語「エビデンス」についてご紹介します。

■ビジネスシーンで使われる「エビデンス」の意味

「エビデンス」はそれを使う業界ごとに、意味が変わってくるカタカナ語です。一般的なビジネスシーンで使われる「エビデンス」は「証拠」や「裏づけ」、「証明」等の意味で使われていることが多いようです。

例えば上司から「エビデンスとれた?」と尋ねられた場合は「証拠はとれた?」「裏づけはとれた?」という意味になります。また「エビデンスはないの?」と尋ねられた場合は、「証拠(裏づけ)はないの?」という意味になります。

■IT業界で使う「エビデンス」の意味

ただしIT業界で「エビデンス」が使われる場合、証拠や裏づけという意味はもちろん「検証結果」や「記録物」のことを指して使われることも多いようです。例えば「障害情報が来てるからエビデンス残しておいて」や「納品物にエビデンスつけるの忘れないでね」等のように使われます。

一般的なビジネスシーンで使われるエビデンスは、証拠や裏づけという言葉をカタカナ語に言い換えただけというケースが多いのに対し、IT業界で使われる「エビデンス」は、具体的な記録作業や記録物を指して使われることが多いようです。

■医療分野、食品業界で使われる「エビデンス」

さらに医療分野、食品業界で「エビデンス」という言葉が使われることもあります。医療分野で使われている「エビデンス」は、「その治療法がよいとされる証拠」という意味をあらわし「エビデンスに基づく治療(研究結果により、その治療法がよいと証明された治療)」、「エビデンスのある薬(研究結果により、効果があると確かめられた薬)」等の使い方がされています。

食品業界で「エビデンス」が使われる場合は、逆に「その効果を示す証拠がない」ということをあらわすときに使われることが多く「この健康食品にはエビデンスがない(科学的な根拠はない)」、「この健康食品のエビデンスは不十分(科学的な根拠が足りない)」等、根拠を問う際の指摘に使われることが多いようです。

ビジネスカタカナ用語は、それがどの業界で使われているのか、どんなシーンで使われるのかによって意味にばらつきが起こることも。もしも「エビデンス」と言われたら、それを口にした人の前後の文脈を聞きとり、エビデンスが何を指しているのかをしっかりと見極めるようにしましょう。

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