8月22日~30日にTBSで独占生中継される『世界陸上北京』の製作発表会見が12日、東京・赤坂のTBS放送センターで行われ、メインキャスターの織田裕二と中井美穂をはじめ、高橋尚子、小谷実可子、千葉真子、室伏由佳、そして、スペシャルゲストとして男子100m、200mに出場するジャスティン・ガトリン選手(アメリカ)が出席した。
ゴールデンタイムを中心に9日間、64時間を超える放送枠で展開する『世界陸上北京』。「すべてが"つながる"瞬間がある」をテーマに、より深くアスリートを知ったうえで競技を楽しめるように、さまざまなアプローチで番組と視聴者を"つなげて"いく。メインキャスターは、1997年のアテネ大会以来、10大会連続となる織田と中井。2人に加え、スペシャルキャスターの高橋尚子、フィールドリポーターの小谷実可子、アスリートコメンテーターの千葉真子と室伏由佳が、現地北京から熱戦の様子を伝える。
織田は「2年に一度しかない真剣勝負の場、そして、真の世界一を決める世界陸上です。またその暑い季節がやってきました」と目を輝かせ、「見て良かった、感動と興奮を味わえてよかったと言えるような大会、放送にしていきたい」と気合十分。中井も「選手たちが自分自身を信じて一生懸命にレースに臨む姿を、現地北京からお送りしていきたい。画面ではなかなか映らないような匂いや観客のエネルギーもお伝えできれば」と熱く語った。
織田は注目種目として男子の単距離を挙げ、「ウサイン・ボルト選手、ここへきて調子を上げています。そして楽しみなのはジャスティン・ガトリン選手。今年33歳にして自己新を100m、200mともに出している。ボルト選手も危ないんじゃないかという感じがしています」と予想。さらに、ユースでボルト選手の記録を抜いた日本人サニブラウン・アブデル・ハキーム選手と、高瀬慧選手、藤光謙司選手の名前を挙げ、「リレーでメダルを、本当にやってくれるんじゃないかなっていう淡い期待を持っています。ただ世界はそんなに甘くないです。でも頑張れって思ってます」とエールを送った。
会見の途中で、現在日本で調整を行っているガトリン選手が登場。ライバルのボルト選手について聞かれると「ボルト選手も最高の状態をつくって大会に臨んでくると思うんですけど、自分も同じように最高の状態で戦えるように頑張りたい」と闘志を燃やし、「安定したレースが続けられるように調整してきている。笑顔と表彰台の上で手を振る練習も欠かさずやっています」と手を振って見せた。そして、「リオでのオリンピックに向けての調整に大切な戦い。ここでいい流れをつくって、オリンピックに進めれば」と大会への思いを語った。
また、織田が「リレーのポジションは?」とさらりと質問すると、ガトリン選手は「2走です」と即答。「いつまでも最高の走りを見ていたいと思いますので、頑張ってください」とエールを送られると、「これが終わったらゆっくり寝て、2020年の東京での大会に備えたい」と東京五輪を見据えた発言も飛び出した。さらに、サニブラウン選手についても「すごく才能のある選手」と評価し、走っている映像を見て「腕が下がっているので、それを上げるとタイムが伸びると思います」とアドバイスを送った。
会見では、千葉は「前回大会のモスクワから2年がたち、またまたすばやく出産を済ませて、次女を産んでこの北京大会にバシッと合わせて参りました」と笑いを誘い、「母親目線で競技を見るように変わってきました。より幅広い世代の方にお伝えしていきたい」と気合。高橋は、初日の男子マラソンについて「勢いが日本人にそのままかかってくるという部分で、大きな役目が男子マラソンに課せられている」と語り、女子マラソンについても「注目は、前田選手を筆頭に女子の3人組。メダルを十分にねらえるチーム」と日本勢に期待を寄せた。
小谷は、女子100m、200mに出場する福島千里選手について「日本のエースならではの重いものを背負ってきた中で、アスリートとして次の領域に入ったというか、初心に帰ってはじけるきっかけをつかめているような、すごくいい表情に見受けられる」と話し、「世界に飛び出すきっかけとなった北京でまた輝くのを楽しみにしたい」と期待。室伏は、8月1日に待望の80m超えを果たした女子ハンマー投げのアニタ・ヴォダルチク選手を注目選手として紹介した。