リスクの低い資産は? というとイメージするのは債券。
しかし、投資環境は変化していきます。
これからの時代、資産を守ってくれるのは?
今回のポイント
債券の時代の終焉。ほとんど低下余地がなくなった債券利回りは、今後上昇の可能性大(=債券価格下落)。
資産を守ってくれる投資対象は時代とともに変化。
今後、インフレから資産を守ることが重要。株式も加えた分散投資を!
債券の時代は終わった!?
今、マーケットで注目されていることといえば、米国がいつ「利上げ」するか? ですね。
2008年のリーマン・ショック以降、世界的に低金利が長く続きましたが、新たなステージに入ろうとしています。
債券利回りを長いトレンドで見てみましょう。
先進国国債と米国国債の利回りは、約30年かけて10%を超える利回りから下がり続けてきました。利回り低下=債券価格の上昇でしたね。
つまり、過去30年間では、債券価格は上昇し続けてきました。だからこそ債券投資でリターンを期待することができていたのです。
現在、低下余地がほとんどない債券利回りは、今後米国の利上げを契機に利回りが上昇していく時代に入っていく可能性が高いと思われます。一般的に利回り上昇=債券価格の下落です。
資産を守ってくれる主役交代
さらに、私達がこれから念頭に置いておかなければいけないのは「インフレ(物価上昇)」です。
日本政府は2%のインフレ目標を掲げています。
インフレとは、モノやサービスの値段が上昇することです。インフレ下では、資産をインフレ率と同じ分だけ、増やしていかないと資産の価値が目減りすることになります。
現在、日本の預金金利や個人向け国債の利回りでは、インフレ2%を上回るのは難しい状況にあります。
昔から、インフレには株式が強いといわれています。従来は、債券を保有していれば、資産を守ることができました。しかし、債券に期待できなくなった今、「欲張らない投資」の実現には、株式を含めた分散投資が必要だといえます。
○先進国国債と米国国債の利回り推移○(月次、期間:1984年12月末~2015年7月末)
●ピクテ投信投資顧問が提供する、「「欲張らない投資」のススメ」からの転載です。