ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK Japan)は、2015年上半期(1~6月)の全国有力家電・IT取扱店(家電量販店、地域家電店など)における家電およびIT市場の販売動向を発表した。

家電・IT業界全体の販売額は、消費増税に伴う駆け込み需要があった2014年に比べ低調な結果となった。今後はエコポイントの導入時期やアナログ停波の際に購入された製品の買い替え需要、また、外国人観光客の増加にともなう免税販売対応店舗の急増が、家電市場にとってのプラス材料になるとGfK Japanは予測している。

薄型テレビ 市場規模の推移

以下、製品ジャンルごとにみていく。AV市場においては、薄型テレビの販売台数が前年比8%増と8期ぶりのプラス成長となったが、全体としては縮小基調を継続した。薄型テレビは、3月に各地域でケーブルテレビなどのデジアナ変換サービスが終了し、アナログテレビからの買い替え需要が発生。4Kテレビの販売台数は、前年同期比の4.8倍となる20万台に達している。薄型テレビに占める4Kテレビの構成比は、数量ベースでは前年同期の1%から6%に拡大し、金額ベースでは23%を占めた。薄型テレビの平均価格は、大画面製品の平均価格下落と、デジアナ変換サービス終了による中・小型製品の需要高により、前年同期から11%下落。これにより、薄型テレビの販売金額は前年比3%減となっている。

BD/DVDはプレーヤーは数量前年比9%減、レコーダーは同11%減と、ともにマイナス成長となった。平均価格はレコーダー、プレーヤーともに前年を下回り、BD/DVDの金額構成比は15%減となっている。

ヘッドホンおよびヘッドセットは、低価格帯製品の需要減により、販売数が前年比2%減の920万本となった。ヘッドホンの数量が前年比6%減となる一方、ヘッドセットは同6%増と拡大。ハイレゾ対応製品の販売数は、前年同期の3倍に増加している。

デジタルカメラ 市場規模の推移

デジタルカメラの販売台数は前年比25%減の260万台で、コンパクトカメラは同28%減の170万台と縮小。レンズ交換式カメラにおいても、一眼レフカメラが同20%減、ミラーレス一眼が同19%減となった。しかし、コンパクトカメラ、レンズ交換式カメラともにハイエンドモデルの販売割合は伸長しており、平均価格は前年同期比から14%上昇。また、高級レンズの好調を受け、交換レンズの平均価格は11%上昇している。

冷蔵庫 市場規模の推移

生活家電においては、前年の増税前に需要が先食いされたため、多くのカテゴリで前年を下回る販売結果となった。冷蔵庫の販売台数は前年比19%減の220万台で、小容量モデル(200リットル以下)が前年同期比から6ポイント拡大する一方、中容量モデル(201~400リットル)と大容量モデル(401リットル以上)は縮小がみられた。

洗濯機の販売台数は、縦型・ドラム型ともにマイナス成長となり、前年比約16%減の250万台。近年の傾向として洗濯容量の大容量化は継続しており、特に10kg以上のモデルは前年同期比33%増となった。

エアコンは前年比19%減の300万台。前年特需との対比であることに加え、需要が高まる6月の気温が平年以下であったことが影響した。

掃除機は前年比14%減の410万台となったが、スティックタイプは数量前年比5%とプラス成長を維持。なかでもコードレス掃除機の数量構成比は、前年同期から6%ポイント伸長し、56%となっている。