スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですから、スペック表を見れば専門用語のオンパレード……これではおいそれと比較できません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「インカメラ」についてです。
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現行モデルのスマートフォンは、その多くが2台のカメラを搭載しています。1台は背面に、もう1台は液晶パネル側に搭載することで、自分が見る景色と手前方向の両方をスマートフォンの向きを変えることなく撮影できます。
そのうち手前方向を撮影するカメラが「インカメラ」で、ビデオ通話や自撮り(セルフィー)が主な目的です。基本的には、それなりの水準で撮影できればいいという扱いのカメラであり、風景や人物を美しく撮ることが求められる背面側のカメラ(アウトカメラ)と比較すると、スペック的には劣後したものが採用されてきました。
具体的には、アウトカメラのほうが解像度が高く、レンズのF値も少ない(少ないほど明るい)傾向にあります。アウトカメラにはほぼ確実に用意されているフラッシュも、インカメラでは見かけません。鏡が取り付けられたセルフィー用の棒(自撮り棒)が販売されていますが、これは画質に優れるアウトカメラでセルフィーするための仕掛けです。
しかし、セルフィーの需要が高まるにつれ、インカメラの性能/画質が重視されるようになりました。日本より早くセルフィー人気が定着した海外ではその傾向が顕著で、アウトカメラ並の画素数を持つインカメラを備えたAndroid端末が多数発売されています。
日本におけるセルフィー需要は高まりつつあり、国内メーカーも動き出しました。ソニーモバイルが8月に発表したXperiaの新モデル「Xperia C5 Ultra」(国内発売未定)は、イン/アウトとも画素数が同じ1300万画素の「Exmor RS for Mobile」センサーを採用、そのうえインカメラ側にもオートフォーカス機能とフラッシュを装備しています。インカメラの画質に不満を感じている消費者が多いという調査報告も出ていますから、今後インカメラの性能を重視した新製品が増える可能性は高いといえそうです。