KDDIは7日、2016年3月期第1四半期の決算発表会を行い、その冒頭、同社の田中孝司社長は先日発生したメール障害について経緯を説明し、ユーザーに陳謝した。最大で1,000万件に影響した可能性があるという。
田中社長は「決算の説明に入る前に、先日のEメール障害についてご説明したい」と話し、冒頭の数分を障害の経緯の説明と陳謝に費やした。同件は7月12日に発生したもの。およそ3週間、au携帯電話を利用している一部のユーザーがメールサービス「@ezweb.ne.jp」を利用できない状況が発生していた。同社では「KDDIの設備拠点において発生した小規模発火が原因で、施設内の空調機器が停止したことにより室内の温度が上昇し、通信機器が停止した」と説明している。
また、障害発生後の状況について田中社長は、「メール障害が起きた翌日、7月13日の16時頃に装置は回復してメールの送受信はできるようになったが、過去のメールが閲覧できないなどの不具合が残った。これは装置にエラーが残っていたのが原因だった」と振り返った。
この後、完全復旧までには時間を要した。「修復には8月3日の16時までかかった。そこで、ようやく平常に戻ったとアナウンスさせていただいた」(田中社長)。同社では“796万件に影響した”とアナウンスしていたが、影響の可能性も含めると、最大で1,000万件という大きな規模で、今回の障害が影響したことが予想されるという。田中氏は「多数のお客様にご迷惑をおかけしたことを、ここにお詫び申し上げます」と頭を下げた。
説明会の後に実施された囲み取材でも、このメール障害について質問が及んだ。記者に「再発防止策は」と問われた田中社長は、「本来の細かな原因については、現在詰めている段階。もうしばらくお時間いただければと思っています」と回答している。