東芝は6日、世界で初めて(東芝調べ)TSV技術を用いた最大16段積層(256GB)のNAND型フラッシュメモリを開発したと発表した。8月11日から13日まで米サンタクララで開催される「Flash Memory Summit 2015」で試作品を参考展示する。
TSV(Through Silicon Via)技術は、半導体チップの内部を垂直に貫通する電極を用いて、データ入出力の高速化と消費電力の低減を可能にした技術。従来のNAND型フラッシュメモリでは、チップを1つのパッケージ内で積層する際にワイヤを用いて接続していた。
今回発表された試作品では、従来のNAND型フラッシュメモリ製品を大幅に上回る1Gbps以上の入出力データレートを達成。電圧も、コア電源で1.8V、I/O電源で1.2Vまで低減させた。東芝の従来品と比較して、プログラム動作、リード動作、データ入出力動作時において、それぞれ約50%の消費電力を削減している。
東芝は今後、TSV技術を用いたNAND型フラッシュメモリの製品化を目指す。アクセス遅延時間の低減、データ転送速度の高速化、単位消費電力あたりの高いIOPS、といった要素が必要なエンタープライズSSDやフラッシュストレージなどを開発していく。
試作品である「NAND Dual x8 BGA-152」の主な仕様は、記録容量128GB(積層数8)のサイズがW14×D18×H1.35mm、256GB(積層数16)のサイズがW14×D18×H1.9mm。インタフェース規格はToggle DDRとなっている。