アイデム 人と仕事研究所では、2016年3月卒業学生の就職活動、企業の採用活動について、2014年11月からアンケート調査を行っている。このほど、これまで実施したアンケート調査をもとに、前半の就職(採用)活動の動きについて発表した。
学生の準備開始は例年と同時期
2016年3月卒業学生の就職活動は、例年とは違った動きを見せている。準備活動段階にいる学生は、11月1日調査時点で75.5%、昨年(2015年卒11月状況60.7%)と比べると約15ポイント高く、早い時期から取り組みを行っている学生が多いことがわかる。
エントリー活動段階においても、広報解禁日である3月1日調査時点で、すでに60%以上の学生が主な活動とし て回答している。「面接・試験段階」「内定獲得/就活継続段階」も、昨年と解禁日後の月数で比べると、速いペースで進捗している。
6月1日調査時点において「内定獲得/就活継続段階」は21.0%、「内定獲得/就活終了段階」は6.6%となり、内定獲得後も就職活動を継続する意向が高い事がわかる。昨年の状況を参考にすると、選考解禁日以降に「内定獲得/就活終了段階」の学生が一気に多くなることから、就職活動を終了させる学生が多くなるのは、8月~9月以降となることが予想される。
企業は、選考・内定のピークが分散化
インターンシップを実施している企業では、その位置づけを「選考の一環」とする企業が多くなってきている。インターンシップ参加後に、実際に選考に進んだ学生がいる企業は、およそ9割。そのうち、インターンシップ参加学生に内定を出した企業は9割以上にのぼる。
「エントリー受付開始」は、採用広報解禁日以前から、高い値で推移している。2015年卒と同スケジュールで採用活動を開始した企業は、4月には面接、5~6月には内定を出し始めるが、指針に合わせた採用スケジュールで動く企業は、今後、面接選考、内定出しのピークを迎える。内定出しが終息に向かうのは9月以降になる見込みだという。
大手企業を中心に8月以降に内定出しを行った結果、8月以前に一定数の内定者を確保している企業であっても、内定辞退の状況によっては、引き続き採用活動を継続せざるを得ない可能性もある。
採用活動終了の見込み時期について、9月末までに終えたいとしている企業は、大手企業で58.8%、それ以下は5割を大きく下回った。小規模~中規模企業を中心に年内、もしくは今年度いっぱいまで採用活動を続ける見込みで、長期化する可能性も高い。